「カテゴリーⅠ 単年助成 第1期」には206件の申請があり、審査の結果、75件を採択いたしました(採択率36.8%)。助成予定総額は74,997千円です。
≪音楽分野≫
◆申請件数(採択件数): 51(17)
内訳:都内での芸術創造活動49(16)
国際的な芸術交流活動2(1)
◆採択率:33.3%
申請件数の6割強が初申請で、特に個人の初申請が大幅に増え過去最多となりました。事業内容も、クラシック、現代音楽、古楽、ジャズ、複数の分野との創造活動など多様になっています。また今回は、新しい作品を創ることだけではなく、演奏の新しい可能性を切り拓くような活動も目立ちました。中小規模の予算の事業が増えていますが、新型コロナウイルス感染拡大防止のための入場制限を想定した収支バランスの影響と思われます。
《演劇分野》
◆申請件数(採択件数): 50(17)
内訳:都内での芸術創造活動45(15)
国際的な芸術交流活動5(2)
◆採択率:34.0%
申請件数は昨年度に比べ増加しました。約6割が初申請で、特に活動基盤形成期の初申請が増えています。採択の内訳は8 割以上を活動基盤形成期と活動拡大・発展期が占めました。国際的な芸術交流活動の申請件数は減少。活動基盤形成期からの申請はなく、活動拡大発展期や活動成熟期の団体がコロナ禍以前より関係構築や企画作りを行っていた事業の申請が目立ちました。個人申請は増加傾向にあり、独創性の高い練られた企画が採択されています。
≪舞踊分野≫
◆申請件数(採択件数): 20(10)
内訳:都内での芸術創造活動15(7)
国際的な芸術交流活動5(3)
◆採択率:50.0%
申請件数は昨年度と同規模で、新規申請は4割程度、活動ステージ別では活動基盤形成期が7割、活動拡大・発展期が3割でした。コロナ禍に対応する申請として、作品のテーマ設定や、テクノロジーを用いた身体表現の探求、劇場での創作活動に囚われず舞踊の特性を活かした活動を発展させる取り組みなど、多角的な優れた活動があり採択となりました。コロナ禍で減少した国際的な芸術交流活動においては、招聘公演の実現が見込める事業を採択しました。
≪美術・映像分野≫
◆申請件数(採択件数): 41(13)
内訳:都内での芸術創造活動34(9)
国際的な芸術交流活動7(4)
◆採択率:31.7%
平面やアートプロジェクト、インスタレーション、ミクストメディア等の多様な表現の創作活動に加え、映画・映像分野やフェスティバル/プラットフォーム型の事業の申請が多くありました。個人申請は例年よりやや減少し3割強でしたが、新進や中堅のキュレーターによる、コンセプトや手法の独創的な事業が採択となっています。国際的な芸術活動の申請は減り、コロナ禍における移動の制限の影響が顕著ですが、オンラインの活動等、工夫ある企画も寄せられました。
《伝統芸能分野》
◆申請件数(採択件数): 27(13)
内訳:都内での芸術創造活動25(12)
国際的な芸術交流活動2(1)
◆採択率:48.1%
申請件数が過去最大になっており、コロナ禍において延期となっていた活動や公演の再開の動きが多く見受けられました。申請種目は、雅楽、聲明、能楽、狂言、地歌箏曲、三曲、尺八、長唄、落語、講談、日本舞踊、創作邦楽、現代邦楽など多岐にわたりました。個人申請のうち3分の2が初申請で、そのうち半数が採択となっています。また、採択事業を活動ステージ別にみると、活動成熟期は継承の意識が高いものが多く、活動拡大・発展期、活動基盤形成期は今後に向けて表現の幅を広げようとする活動が目立っています。
≪複合≫
◆申請件数(採択件数): 15(5)
内訳:都内での芸術創造活動12(3)
国際的な芸術交流活動3(2)
◆採択率:33.3%
複合分野は、17件の申請があり6件が採択となっています。即興的な音楽行為と美術制作を融合した表現活動、分野を横断する創作発表やフェスティバル、テクノロジーを用いて分野を融合する試み、実験的な身体表現を探求するアーティストがパフォーマンスアートの新たなプラットフォーム形成に挑戦する活動など、複合分野ならではの多様な申請がありました。また、コロナ禍において浮き彫りとなった舞台芸術界における課題に取組む事業も採択しています。