山水東京による現代美術の展覧会。「アーバン山水」は、直訳すると「都市の山水」を意味する。かつて隆盛した山水画や枯山水は「都会=俗世」から遠く離れた場所に理想郷を求めたが、現代を生きる山水東京のメンバーは自分たちの日常生活の基盤である都市の中で身近な事物へ想像力を巡らせながら、自然と人為の不可分な関係、すなわち山水思想の核にある主客未分の状態を見出す。
展覧会場となったkudan houseを象徴する洋館のスパニッシュ様式や耐震壁構造、庭の実用的な構成は、日々の暮らしを大切にしてきた人々の思いを今に伝えており、身近な事物への想像力を問う本展のコンセプトにも通じている。
本展は、現代アーティストによる作品と戦前から愛用されてきた家具、重厚な洋館とモダンな庭、プライベートな敷地とパブリックな都市空間をシームレスにつないでみせることによって、主客の境界をぼかし、鑑賞者を山水の世界へ誘った。
アーティスト:石井友人/藤倉麻子/槙原泰介/水木塁
企画・キュレーション:近藤亮介
調査・地図:齋藤直紀
アシスタント:黄夢圓
主催:山水東京
協力:kudan house
技術協力:YOKOITO Additive Manufacturing
助成:公益財団法人小笠原敏晶記念財団/公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京/公益財団法人野村財団
【山水東京】
東アジアの在来思想「山水」を着想源に、現代の芸術と社会を繋ぐアートプロジェクトや展覧会を企画制作するアーティスト・コレクティブ。
山水東京を主宰する近藤亮介は、美学芸術学・ランドスケープの研究者として、日英米の美術・造園の研究を軸に、理論と実践の両面からランドスケープを生活環境として読み解く活動を展開している。
主な展覧会に「アーバン山水」(kudan house、2023年)、「それぞれの山水」(駒込倉庫、2020年)。
山水東京
代表
近藤亮介
sansui3020@gmail.com
kudan house(東京都千代田区)
※事業概要等の情報は、助成をしている団体及び個人より提供されています。