映像ユニット高嶋晋一+中川周による、映像制作と映像メディアをめぐる研究会、という二つの軸からなる取り組み。その成果は主に、制作は個展『経験不問』として、研究会は書籍『映像なしの映像経験』として結実した。「映像にまつわる、だが映像内容が欠如している類の経験」が全体の通底するテーマであり、個展で発表された新作映像は、ファインダーをのぞかずにカメラを動かすという方法に特化したもので、書籍は一切の画像や図を載せずに、あえて言葉だけに限定して「映像が欠けた映像」について記述・考察するというコンセプトのもとに編纂された。
【中川周】
1980年高知県生まれ。写真家。2003年、神戸芸術工科大学視覚情報デザイン学科卒業。2004年より2年間、ドイツのミュンスター美術アカデミーに在籍、2013年、四谷アート・ステュディウム修了。2015年より、美術家・高嶋晋一とのユニット「高嶋晋一+中川周」としての活動を開始。近年は、記録としての画像制作に携わる中で、カメラのような一定の尺度を有する装置とそれをより良く扱おうとする使用者の実利的かつ献身的な身振りとの関わりに関心を持ち、行為の習性と装置の物理的なメカニズムとの間に因果的な結びつきを見出す試みによる映像制作や執筆を行う。
中川周
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Sprout Curation(東京都新宿区)
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