「カテゴリーI 単年助成 第2期」には130件の申請があり、35件を採択いたしました(採択率26.9%)。助成予定総額41,307 千円です。
≪音楽分野≫
◆申請件数(採択件数): 51(7)
内訳:都内での芸術創造活動45(6)
国際的な芸術交流活動6(1)
◆採択率:13.7%
音楽分野の申請数は昨年度から著しく増加しており、今期の申請数は過去最多となりました。室内楽、オペラ等のクラシック音楽と現代音楽が全体の約7割を占め、このほか、ロック、ポップス、ジャズ、民族音楽、実験音楽や先端技術を活用した企画の申請がありました。全体の7割が初申請で、団体申請と個人申請の比率は2対1でした。事業の目的が明確で、実現性に加え、独創性や波及力、将来性等の審査基準に合致する事業が採択に至っています。今回は申請書が企画書段階のものや、出演者やスタッフ等の未確定要素が多い申請が目立ちました。事業の内容 を充分検討した上でのご申請に期待 します。
《演劇分野》
◆申請件数(採択件数): 33(8)
内訳:都内での芸術創造活動29(7)
国際的な芸術交流活動4(1)
◆採択率:24.2%
初申請は約5割ですが、そのほとんどは活動基盤形成期に当たり、活動拡大・発展期や活動成熟期の初申請は減
少しています。20歳代が中心となる事業や国際交流活動の申請も減少しました。採択事業では、培ってきたものを申請者独自のコンセプトや方法で発展・深化させ、演劇表現における革新を目指すものが目立ちました。一方、演劇作品として目指すものやそれに至るための具体的な手法に不明点が多い事業は採択に至りませんでした。
≪舞踊分野≫
◆申請件数(採択件数): 9(5)
内訳:都内での芸術創造活動5(3)
国際的な芸術交流活動4(2)
◆採択率:55.6%
申請件数は、前年度の半数以下に減少し、個人申請がこれまでで最も少なく、コロナ禍の影響が数に現れた形に
なりました。その中でも、国際的な芸術交流活動は全体数の3分の1を占め、積極的な取り組みがみられ、コロナ禍以前に戻る兆候がありました。今回の申請数は限られていましたが、将来性の期待できるダンスカンパニーの新作公演、延期となっていた海外公演などを採択し、次代の舞踊分野に波及効果が見込める事業を採択しました。
≪美術・映像分野≫
◆申請件数(採択件数): 18(7)
内訳:都内での芸術創造活動11(3)
国際的な芸術交流活動7(4)
◆採択率:38.9%
約8割が初申請で、平面や彫刻、インスタレーション等による展覧会や、リサーチに基づくアートプロジェクトといった創造活動が多くを占めました。団体申請は減少し、個人申請の割合が大きく増え6割を超えました。団体・個人ともに、展示形式への挑戦や、作品制作における方法論や批評性を探求する意欲的な事業等、独創性や実現性が具体的に示された活動を採択しています。国際的な芸術 交流 活動の申請件数は回復の兆しが見られ、 4件を採択しています。
《伝統芸能分野》
◆申請件数(採択件数): 11(5)
内訳:都内での芸術創造活動10(5)
国際的な芸術交流活動1(0)
◆採択率:45.5%
申請件数は昨年同時期に比べ半減し、また個人からの申請が非常に少なくなりました。申請種目は、能楽が一番
多く、ほかに邦楽囃子、日本舞踊、現代邦楽、演芸、複数の種目を組み合わせたものとなりました。新型コロナウイルス感染拡大が長引き先々の活動が見通せない状況が続く中、活動拡大発展期にある団体・個人が、継承に向けて研鑽を積み積極的に発表をしていこうとする活動が採択の中心となりました。
≪複合≫
◆申請件数(採択件数): 8(3)
内訳:都内での芸術創造活動4(1)
国際的な芸術交流活動4(2)
◆採択率:37.5%
複合分野は、14件の申請があり3件が採択となっています。申請内容は多岐に渡りましたが、舞踊と美術分野の若手アーティストによる分野横断的な試み、フィールドワークをベースとしたサイトスペシフィック・プ ロジェクト、日本の映像作家とフランスのメディアアーティストによるアートプロジェクトといった、複合分野ならではの独創性、国際性をもった企画を採択しています。今後も芸術分野の枠を超えた独創的な企画に期待します。