作曲家・平野一郎は、長年に及ぶ厳しい専門的鍛錬を経た上で、自らのアイデンティティを問い続け、京都を拠点に日本各地の祭礼と音楽を訪ね歩きながら思索と実践を重ね、2001年から20余年に亘り、時流におもねることなくオリジナリティ溢れる作品群へと昇華してきた。
本公演は平野初の東京個展であり、「空野」op.1(2001)から最新作まで、氏の創作の原点とも言える弦楽とピアノの作品に焦点を当てた。奏者との深い協働により楽器の特性を知り尽くした上で、一見典型的な西洋楽器とその編成によりながらその奥底に宿る東洋起源の響きを掘り起こし、先鋭な手法を通して想像を超える音楽体験が、ソリストとしても活躍する成田達輝、ジドレ、對馬佳祐、安達真理、山澤慧、佐藤卓史各氏といった名手たちによって提示された。
【〈Code=“Shanti”〉】
〈Code=“Shanti”〉は、ひらかれた普遍性とかけがえのない風土性を高次で兼ね備えた唯一無二の在りようを体現する平野一郎の作品と活動が様々な危機に直面する今日の日本と世界にとって必要不可欠なものであると考える。より多くの聴衆・演奏家ひいては関係者のみならず広汎な人々に平野作品を紹介することを目指すと共に、その深く鋭い視点を通して今日の音楽の在り方を根源的に問い直し、演奏家や音楽関係者の意識改革を促しつつ、聴衆の知性・感性・悟性を啓き育てる取り組みを行う。
〈Code=“Shanti”〉
codeshanti2023@gmail.com
プレ・イベント:トーキョーコンサーツ・ラボ(東京都新宿区)
本公演:ヤマハホール(東京都中央区)
※事業概要等の情報は、助成をしている団体及び個人より提供されています。