本事業はミラノ大学文化環境遺産学部教授のロセッラ・メネガッツォ氏の招聘により、ミラノ大学の学生のみならず、一般参加者にも向けたパブリックパフォーマンスとして開催した。男舞・中の舞、仕舞『船弁慶』、舞「楽」、仕舞『弱法師』、一管「盤渉」、「獅子」といった上質な能楽デモンストレーションとともに、理論的な解説を行った。
舞、解説に宝生和英、地謡に木谷哲也、笛に小野寺竜一が出演。宝生和英が通訳を介さず、自らイタリア語で解説を行い、高い評価を受けた。
日本の伝統芸能・芸術を理解する際に重要となる、「見立て」や「余白」といった概念を紹介し、理論的に日本人の好む演出技法の高さを証明した。また、身体の動作の変化なども紹介し、理論のみならず、感覚的にも体感を促した。
【宝生和英】
シテ方宝生流第20代宗家。父、19代宗家宝生英照に師事。1991(平成3)年『西王母』子方にて初舞台。2008(平成20)年に宗家を継承。これまでに『鷺』『乱』『石橋』『道成寺』『安宅』『翁』、宗家一子相伝『弱法師 双調之舞』『安宅 延年之舞』『朝長 懺法』を披く。伝統的な公演に重きを置く一方、異流競演や復曲にも取り組む。また公演活動のほか、マネジメント業務も行う。海外ではイタリア、香港、UAEを中心に文化交流事業を手がけるなど、精力的に活動している。
ミラノ大学(ミラノ/イタリア)
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