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アーツカウンシル東京ブログ

アーツカウンシル東京のスタッフや外部ライターなど様々な視点から、多様な事業を展開しているアーツカウンシル東京の姿をお届けします。

東京アートポイント計画通信

東京アートポイント計画は、地域社会を担うNPOとアートプロジェクトを共催することで、無数の「アートポイント」を生み出そうという取り組み。現場レポートやコラムをお届けします。

2013/05/15

三田POレポート 新人の体験記(1か月目)

4月から東京文化発信プロジェクト室で働き始めました、新人のプログラムオフィサーです。日々の業務では打ち合わせが非常に多く、新人の自分にとっては、未知な単語が飛び交います。とあるプログラムの際に会場を貸してくださった〇〇さん、手伝ってくれている学生の△△さん・・・時間をさかのぼって、今は留学している□□さんという方も登場してきます。アートプロジェクトには本当に様々な人が多様な立場で関わっている、ということを実感すると同時に、困ってしまうのは、自分にとっては出会ったことのない人なので、名前を覚えることが、数式を一つ暗記(文系のため数学には疎いのです)するようで、なかなかピンとこないことです。

まだ出会ったことのない膨大な人々に囲まれながら、わからないことだらけのアートプロジェクトにどうやって関わっていけるのかと思い始めた頃、団体から昨年度の報告書が提出されてきました。東京アートポイント計画の各担当者は、その共催団体の報告書をもとに原稿を書き、東京文化発信プロジェクト室から発行している事業報告書1の作成をしています。私は、原稿の取りまとめをすることになりました。

団体から出される報告書は、各プロジェクトの実績人数や内容はもちろんのこと、実施状況などのエピソードを交え、書かれています。昨年度のことなので、これもまたわからないことだらけの報告書なのですが、読んでいると未知なる〇〇さんが、自分にとって数式ではなくなる瞬間があります。〇〇さんが、何に興味があり、プログラム実施までどのようなことをし、当日は何をしたのか、そういったプロジェクト内で起きたエピソードが積み重なることで、人物の人柄や、プロジェクトの中での人間関係が見えてくるような気がしてくるのです。出会ったことのない人や、体験したことのない事柄、それらの関係性、行ったことのない場所を読むことで体験することは、小説に似たところがあるかもしれません。そして報告書を読むと、疑似であってもそのプロジェクトを追体験できる面白さがありました。
 
このブログでは、アートプロジェクトやプログラムオフィサーについて、少しずつ業務を通して見えたことや考えたことを書き記していきたいと思います。1年間が終わる頃、大きな山の全貌をとらえることができるよう、新人の体験記として小さな積み重ねをしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

※平成24年度東京文化発信プロジェクト室事業報告書は8月発行予定です。(webサイトからダウンロード可能)

東京アートポイント計画 プログラムオフィサー 三田真由美

プロフィール

武蔵野美術大学芸術文化学科卒業後、調布市文化会館たづくり、宮本三郎記念美術館に勤務。在職中に、慶應義塾大学美学美術史学専攻アートマネジメント分野修士課程を修了し、2013年より現職。

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