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アーツカウンシル東京ブログ

アーツカウンシル東京のスタッフや外部ライターなど様々な視点から、多様な事業を展開しているアーツカウンシル東京の姿をお届けします。

ACT取材ノート

東京都内各所でアーツカウンシル東京が展開する美術や音楽、演劇、伝統文化、地域アートプロジェクト、シンポジウムなど様々なプログラムのレポートをお届けします。

2019/10/02

みんなで新しい東京の音頭をつくろう! 「アンサンブルズ東京 2019」本番

音楽家・大友良英さんが手がける「アンサンブルズ東京」。
事前ワークショップを経て一般参加者とプロのアーティストが一緒に演奏する“みんなでつくる”音楽イベントです。

先日行われたプレイベントでは、新しい東京の盆踊りをつくるべく、大友さんが中心になってみんなで歌詞を考えました。
そして夏の終わりが近づく2019年8月24日(土)、ついに迎えた「アンサンブルズ東京」の本番当日。
盆踊りはイベントの最後に披露されます。プレイベントのあとに大友さんが仕上げた音頭、はたしてどんなふうになったのでしょうか?

まずは、盆踊りまでの多彩なステージのハイライトをお送りします!


本番前、大友さん(左)と2016年から毎年参加している名物親子をパシャリ。お父さんは大友さんが音楽を手がけるNHK大河ドラマ『いだてん』のコスプレです!


恒例の「東京タワーパレード」でアンサンブルズ東京がスタート。今日行われるステージの参加者たちなどが、思い思いの楽器で音楽を奏でながら東京タワーの内外を練り歩きます。

パレードのあとは、芳垣安洋とOrquesta Nudge! Nudge!のステージ。

打楽器や自分でつくった楽器などを持ち寄った約50名の一般参加者と一緒に、大迫力のリズムアンサンブルを響かせました。


ボイス・パフォーマーの原田仁さん。

続いてはリコーダーを中心とした音楽グループ、栗コーダーカルテット。子供から大人まで幅広い参加者とリコーダーを奏でます。
誰もが懐かしさを感じる優しい音色が会場を包みました。

次は、中央のやぐらにプロジェクトFUKUSHIMA!のメンバーと、今回はっぴの監修を務めたデザイナーの半澤慶樹さん(右から2人目)が登場。

やぐらを彩るぼんぼりや会場に敷かれた「大風呂敷」は、全国から集められた布を、プロジェクトFUKUSHIMA! によるワークショップで縫い合わせたものです。
今年は盆踊りをさらに盛り上げるオリジナルの「はっぴ」も制作。制作をしたメンバーとデザイナーの半澤さんがその裏話などを話しました。


全国各地から持ち寄られた布をつなぎ合わせた、巨大な「大風呂敷」(開演前に撮影)。

イベントも終盤にさしかかり、いよいよ盆踊りがスタート。
大友良英スペシャルビッグバンドと一般参加者がスタンバイし、生演奏で踊ります!

新しくつくった音頭の前に、「あまちゃん音頭」「フジオ音頭」「ええじゃないか音頭」などなどいろんな音頭が奏でられ、会場は大盛り上がり。
はじめは周りで眺めていた人たちもどんどん加わり、しだいに盆踊りの輪は大きくなっていきました。


元・珍しいキノコ舞踊団の伊藤千枝子さんが振り付けをレクチャー。

ここで、スペシャルゲストの水前寺清子さんが登場!
会場から大きな拍手と歓声があがります。

大友さんのリクエストで、なんと『三百六十五歩のマーチ』を披露。
誰もが知る名曲で観客たちはさらに盛り上がります。

水前寺さんも歌に加わり、ついに新しい東京の音頭が披露されました。
発表されたタイトルは『虹の東京』。
踊りは、この日のために伊藤千枝子さんが振り付けました。
大友さんとSachiko Mさんによって仕上げられた歌詞はこちらです!

(あ それ)(あ よいしょ)

あるきつづけりゃ 虹の橋(あ それ)
空をみあげりゃ 雲ひとつ(あ よいしょ)
雨がやさしく あがったら
四角いそらに 虹かかる
(あ それ)(あ よいしょ)
東京 七色 虹のまち ゆらりゆられて 夢のまち
空がそろそろ眠ったら まあるい輪になり
おどりゃんせ
(あ それ)(あ よいしょ)
赤に橙 黄色に緑 青に藍色 さいごは紫
赤に橙 黄色に緑 青に藍色 さいごは紫

(あ それ)(あ よいしょ)

おどりつづけりゃ 月ひかり(あ それ)
うたいつづけりゃ 星ひとつ(あ よいしょ)
あかりやさしく 灯ったら
四角いそらに 星ひかる
(あ それ)(あ よいしょ)
東京 七色 虹のまち ゆらりゆられて 夢のまち
今宵の夢を見る前に まあるい輪になり
おどりゃんせ
(あ それ)(あ よいしょ)
「東京 七色 虹のまち ゆらりゆられて 夢のまち…」(繰り返し)

空がそろそろ眠ったら まあるい輪になり
おどりゃんせ
(あ それ)(あ よいしょ)

プレイベントで出た「虹」「多彩」「月」などのキーワードをヒントに、時代を超えて誰もが共感できるような歌詞になりました。

はじめて踊られたこの新しい音頭が、ずっと踊り継がれていくかもしれない。
そんなふうに予感させてくれるような、普遍的で温かい音頭でした。

夜を迎えたそのあとも盆踊りは続き、笑顔があふれる時間に。
日本人なら誰もが知っている盆踊りがつくる一体感は絶大で、気がつけば子供から年配の方、外国人の方まで、あらゆる人が加わって輪をつくっています。誰もが参加できる懐の深さに、日本文化のすばらしさをあらためて感じました。

まさに「お祭り」となった今年のアンサンブルズ東京。
たくさんの名シーンが生まれ、忘れられない1日になりました。


アンサンブルズ東京

  • 日程:2019年8月24日(土)16:00~20:00
  • 会場:東京タワー 南側駐車場など
  • 主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、アンサンブルズ東京実行委員会【P3 art and environment、特定非営利活動法人大丸有エリアマネジメント協会、株式会社文化放送】
  • イベントページ:https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/events/37071/

撮影:鈴木穣蔵
取材・文:平林理奈

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