東京アートポイント計画通信
東京アートポイント計画は、地域社会を担うNPOとアートプロジェクトを共催することで、無数の「アートポイント」を生み出そうという取り組み。現場レポートやコラムをお届けします。
2020/03/31
人を思う、関係性をつくる―Artpoint Letterより
東京アートポイント計画では、毎月1回メールニュース「Artpoint Letter」を配信しています。
2020年3月号のメールニュースより、プログラムオフィサー・大内伸輔の記事をご紹介します。
事務局による事務局のためのジムのような勉強会「ジムジム会」
春めいてまいりました。
2020年は、東京アートポイント計画のプロジェクト「TERATOTERA」と「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」が10年の集大成を4月・5月に控え、準備も佳境のはずでした。
しかしながら感染症の拡大を防止するべく、それぞれ秋以降に延期。結論に到るまでに関係者間で多くの議論を重ねましたが、決定的だったのは今この時にのびのびと動けないことです。
「準備も佳境」であるはずの「今」こそが10年の底力を発揮して、多くの人たちと関わりながらアートプロジェクトを紡ぐ重要な時間。つくる時間は本番よりも尊いかもしれません。その時間を再び用意して、またお知らせできるよう整えます。楽しみにお待ちください。
東京アートポイント計画の目的は「文化創造拠点の形成」です。まちなかで人が集う活動拠点、つまり「場所」を大切にしてきました。ところが現在、想像もしなかったことですが、場所に集うことすらままならない日々を過ごしています。困りました。
しかしそんな時、「普段の活動で会っていたあの人はどうしているだろうか?」と気にかける。また集える時を待望し、かける言葉を想像する。そんな形で「場所」を超え、人を思いやる関係性をつくっていくことも「文化」が成せること、とあらためて思います。
今年度は各プロジェクトの事務局のみなさんとの学び合いの場「ジムジム会」を通年で開催しました。それぞれ違った活動だからこそ、補い合い、知恵を分け合うことのできる場としての手応えを得ました。活動のブラッシュアップを超えて、アートプロジェクトという同じフィールドで切磋琢磨する人と人との関係ができたこと。それは副産物ではなく、文化に向き合う私たちにとって真に求めるべきものです。
まもなく4月、春めいて参りました。深呼吸をしてのびのびと動ける時を待ちましょう。
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