アーツカウンシル東京が主催・共催するイベント情報

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展覧会
記録から表現をつくる

ジャンル:
  • アートプロジェクト ,
  • 展覧会・上映会

2022年夏に開催されたワークショップ「記録から表現をつくる」では、参加者自身の関心に基づいて、残された記録を集めたり、自ら記録したりすることからはじめ、たがいにプロセスを共有し、対話しながら、記録やリサーチをひらいていくための表現を実践してきました。

本展では、それぞれがワークショップ当時から向き合っているテーマについて、その後も重ねてきたリサーチをもとに制作した作品や記録資料等を構成しながら、現時点での表現のかたちを模索し、展示をします。
戦争、災害、自然環境、地域の声、みずからの記憶。それぞれの生活実感に即したテーマは多種多様ですが、隣り合って並べてみると、類似する課題が見つかったり、反対に、似たテーマなのにずいぶん細部が異なったり、といった発見があります。

それぞれがライフワークとして長期的に向き合っていく(かもしれない)プロジェクト。節目節目で立ち止まって形にして発表し、さまざまな人と共有することで、より豊かな活動へとつながっていく予感がしています。
個性豊かなプロジェクトの“いま”の形を、ぜひ楽しみにいらしてください。

※新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じて実施します。
※プログラムは変更になる可能性があります。

入場料

無料

展示参加者

井元遥花、坂井遥香、櫻井絵里、高杉記子、田中有加莉、舟之川聖子、万里 Madeno、NOOK 他

参加者とテーマ

井元遥花
家族と 戦争と 出会いなおす
広島にいた曾祖母と祖父、満洲にいた祖母の生きた戦争をすこしずつ手繰り寄せはじめた。見ることのできない色を、においを、やりとりを、感情を想う。亡き曾祖母のあの頃を資料のなかに探し、あの頃を抱える祖父母のからだに寄り添う。

坂井遥香
普段暮らしているまちの、いつもの散歩道。ここでは過去にどんなことがあり、どんな風景だったのだろう。第二次世界大戦当時、運河だった公園。そこに建つ慰霊碑。天気のいい日にはたくさんの人が集うまた別の大きな公園は、巨大な軍事工場だった。調べて知ったことや聞いたことを、再び確認しながら歩く。小さな旅の記録を、写真や地図を用いながら、話すという行為でみなさんと共有することを試みます。

櫻井絵里
明るい部屋にプロジェクターから映像が投影されている。しかしスクリーンがないため映像はどこにも表示されていない。映像を見るには鑑賞者が手をかざすなど行動を起こさなくてはならない。プロジェクターの前に手をかざすと、福島の帰還困難区域に住んでいた人達の語りを読むことが出来る。光の中の映像のように、東京では見えづらい被災地の人の声に触れてほしい。そのアクションが次の震災から身を守ることに繋がるかもしれない。

高杉記子
福島の海沿いの地域の景観の変化と、そこに生きる人々と共に約1000年続く祭礼・相馬野馬追を通して、人の祈りやアイデンティティ、人と土地の継続的な関係を見ることを試みています。この展示では、祭礼に関わる人々のお話を記録して共有します。

田中有加莉
自身の記憶にまつわる作品を展示します。記憶の中にある風景とその場所の別の時間の風景とを重ねた作品と、「思い出す」という形のない行為を具現化した作品です。
カロクリサイクルの活動を知り、わたしも記録から表現を生み出してみようと、自身と関連のある土地についてリサーチしたり、(記録の一種として)日記を読み返したりしているうちに、自然と自身の記憶と向き合うようになりました。記憶も記録なのだと感じています。

舟之川聖子
東京都台東区上野桜木。彫刻家・平櫛田中(ひらくしでんちゅう)の旧居近くに暮らす女性たちの個人史を聞き取るプロジェクト。キーワードは、[女性、家族、生活、学校、戦争、日本、東京、田中邸]。インタビュー内容は冊子にまとまっているが非公開とし、この展示では、聞き取った側[私]の体験に焦点を当て、関係性の変容や記憶の継承について探求する。

万里 Madeno
《A Chronicle of Diseases》
メディアスクラムは、事件や事故が発生したとき、マスメディアによる行き過ぎた取材によって生じる、取材対象に苦痛を与える行為である。それは災禍の現場でも発生し続けてきた。ある自然災害の現場に放り込まれた新人記者を私は仮定する。彼はその体験を通じて、メディアが持つ暴力性についての疑念と自責を、宿痾のように抱え続けてきた。これは、彼が、自らと自らの同僚たちが成した行為を反芻するアクションを通じて、メディアが抱える慢性疾患について考察する過程とその記録である。
他1点展示。

NOOK
これまでのリサーチで訪れた「カロク」を展示・保管している施設等や、「カロク」に関わるキーパーソンを紹介するマップを中心に、資料やレポートも含めて、「カロク採訪記」を展示として展開します。また、東日本大震災から10年目の2020年に書かれた「10年目の手記」の朗読の音声を展示します。

関連イベント

ギャラリーツアー
展覧会をより楽しんでいただけるよう、本展参加者が作品のテーマや制作過程について紹介しながら、会場をご案内します。

日程:2023年3月4日(土)15:00~
会場:3331 Arts Chiyoda ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14)
入場料:無料
※予約は不要です。直接会場へお越しください。


テレビノークスペシャル
NOOKの瀬尾夏美と中村大地がパーソナリティとなり、毎回さまざまなゲストを招きながら、カロクリサイクルの活動についてお伝えしていく配信番組「テレビノーク」。
今回はスペシャル版として、各地域につなぎ、それぞれの土地の3月11日の声を聞きます。展示会場にて公開生配信です。

日程:2023年3月11日(土)15:00~19:00(入退場自由)
会場:3331 Arts Chiyoda ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14)
入場料:無料
※配信番組はオンラインでも視聴可能です。以下のウェブサイトよりご覧ください。
https://www.youtube.com/@nooktohoku

お問い合わせ

一般社団法人NOOK
E-mail:karoku.nook@gmail.com

開催場所

3331 Arts Chiyoda ROOM302(東京都千代田区外神田6-11−14)

クレジット

主催
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、一般社団法人NOOK