大正12年、「金子みすゞ」という筆名で童謡詩人界にきら星のごとく登場した金子テル。女が教育を受けること、それさえも認められなかった時代の中で、彼女は「娘に教育を与えたい」という自我を貫くために26歳で命を賭けることを選んだ。本公演では、その最後の数年間を丁寧に描き出す。彼女の生涯を、終戦直後をたったひとりで生き抜くテルの娘・房子の視点から描き出すことで、大正と昭和、二つの時代を背景に、各時代の中で女性が一人立ち自我を持って生きていく姿を、対比させながら浮かび上がらせていく。そしてこれは、実際には言葉を交わすことのなかった、母と娘の絆を巡る物語構造ともなっている。
作:長田育恵 演出:扇田拓也 出演:石村みか 他
【演劇ユニットてがみ座】
長田育恵による創作戯曲を上演する現代演劇団体。戯曲は、豊かなドラマと心の機微を捉える台詞に重点を置き、劇空間でしか到達出来ない場所を目指し、劇空間を構築する。上質な作品を本拠地東京を中心に、地方公演を含めて日本全国で上演し、日本各地の幅広い年齢層の方々へ、演劇文化の浸透及び情操の向上を図ることを目的としている。
藤田晶久(フジタ アキヒサ)
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座・高円寺1(東京都杉並区)
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