江戸時代初期に京都・大阪で生まれた地歌は、三味線音楽として最も長い歴史を持つ古典芸能で、盲人音楽家によって箏曲と共に創作と演奏が盛んに行われ、幾代にもわたる芸系に3世紀を超えて継承されている。今回の「地歌 ハンガリー公演」は、日本とオーストリア=ハンガリー二重帝国との修好通商条約が調印されてから150周年の記念の年に当たり、ハンガリー各市のホールからの公演招聘を受けて実施した。地歌箏曲の代表曲目に尺八独奏曲も加え、古典の芸系を継承する演奏者を起用して、首都ブダペストを含め全4市での公演を開催。また各公演当日のコンサート前後に、三弦、箏、尺八など日本の伝統楽器の音色、奏法、機能などを紹介するワークショップを実施した。開催に当たり、配布パンフレットに地歌箏曲の歴史・楽曲紹介・演奏者紹介などの英語解説を付記し、地歌への理解も深めた。
【藤本昭子】
幼少より祖母阿部桂子、母藤井久仁江(人間国宝)に箏・三弦の手ほどきを受ける。1995年、第1回リサイタル開催。以後現在まで全16回開催。2001年、「地歌ライブ」を開始。以後二カ月毎に定期開催し、現在まで全94回開催。03年、日本伝統文化振興財団賞受賞、CDアルバム制作。04年、文化庁芸術祭新人賞受賞。06年、ロンドンで「藤井昭子地歌演奏会」開催。以降現在までにオランダ・ベルギー、オールトリア・ハンガリー、スイス他で開催。08年、伝統文化ポーラ賞奨励賞受賞。10年、「地歌ライブ第50回記念公演開催、CDアルバム制作。11年、文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。19年、高橋翠秋、鶴澤津賀寿、善養寺惠介と共に「SATZ」結成。現在、九州系地歌箏曲家として演奏会・放送等に出演の他、後進の指導に当たっている。正派音楽院講師。
地歌箏曲演奏家
藤本昭子
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公演1. グナールイベントハウス(ケチケメート/ハンガリー)
公演2. ボビータ・バブシンハズ(ペーチ/ハンガリー)
公演3. フレキー.トカイ・エステート(トカイ/ハンガリー)
公演4. ローレルレストラン(ブダペスト/ハンガリー)
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