病や老いは体やホルモンバランス等に変化を起こすため、自分の意思に関係なく、誰にでも理性的に振る舞えない瞬間が訪れる可能性がある。しかし、やむを得ずとも理性的ではない考えや行動は、「人は常に理性的である」という近代的な人間像を前に、自己責任論として回収され、排除や非難に晒される。本展「ふわふわの毛をむしる」及び展示作品と3つの展示関連企画は、ケアの思考による近代的な人間像の更新を行うことで、現在の当事者のみならず、全ての人が持つ苦しみの可能性を和らげることを目的としている。本展の展示作品は①『scapegoat』(2018)群馬青年ビエンナーレ:奨励賞|作品②『シロクマの修復師』(2022)MIMOCA EYE:準大賞。メインスタッフは出演|宮﨑輝(オフィスマウンテン)・音楽|小松千倫・伴走|杉浦一基。3つの関連企画は、「ケアする人のケア」や「精神・発達障がい者のアクセシビリティ」についてのトークや座談会。主な登壇者は西原珉・田中みゆき・中島梓織(いいへんじ)
【中谷優希】
1996年北海道生まれ。2020年東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業。静的な絵画のモチーフを動的な私の体に移植することで、画面に固定された絵の持つ意味を更新していく作品を制作。
主な発表として「第1回 MIMOCA EYE/ミモカアイ」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)、「Stilllive: Performance Art Summit Tokyo 2021-2022──衛生・変身・歓待」(ゲーテ・インスティトゥート東京)、「居場所はどこにある?」(東京藝術大学大学美術館 陳列館) など
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OGU MAG+(東京都荒川区)
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