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アーツカウンシル東京ブログ

アーツカウンシル東京のスタッフや外部ライターなど様々な視点から、多様な事業を展開しているアーツカウンシル東京の姿をお届けします。

Art Support Tohoku-Tokyo

Art Support Tohoku-Tokyo(東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業)は、東京都がアーツカウンシル東京と共催し、岩手県、宮城県、福島県のアートNPO等の団体やコーディネーターと連携し、地域の多様な文化環境の復興を支援しています。現場レポートやコラム、イベント情報など本事業の取り組みをお届けします。

2016/11/07

『6年目の風景をきく 東北に生きる人々と重ねた月日』を発行

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東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業「Art Support Tohoku-Tokyo」(以下、ASTT)が、2011年の始動から6年目を迎えています。今秋、これまでの歩みを振り返る冊子を発行し、公式ウェブサイトもリニューアルしました。

東京アートポイント計画から東北へ。現在も続くASTT事業

ASTTは、「東京緊急対策2011」の一環として開始した、東京都がアーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)と共催し、東日本大震災の被災地域(岩手県、宮城県、福島県)のコミュニティに対して、現地の団体と協働してアートプログラムを実施する事業です。

東京都内で実施している「東京アートポイント計画」の手法を用いて、現地のアートNPO等の団体やコーディネーターと連携し、地域の多様な文化環境の復興を支援。被災地域のコミュニティを再興するため、様々な分野の人々との交流プロセスを重視したアートプログラムや、その実施を支える仕組みづくりを行っています。

『6年目の風景をきく 東北に生きる人々と重ねた月日』を発行しました

このたび発行した冊子『6年目の風景をきく 東北に生きる人々と重ねた月日』では、5年間の活動の成果として、現地でのパートナー7名のインタビューを掲載。インタビューでは、ASTTとの関わりのみならず、震災前後の生活や価値観の変化にも触れています。東日本大震災の経験に学び、これからの芸術文化活動に活かすための視点を収録しました。

詳細については、公式サイトのBOOKページからご覧いただけます。郵送をご希望される方もサイト上のフォームからお申込みください。

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冊子『6年目の風景をきく 東北に生きる人々と重ねた月日』

以下、本冊子より「はじめに」の部分をご紹介します。

はじめに

「いつもそこにある(と分かっている)ものを無意識に取ろうと手を伸ばしてからないことに気がつくことってあるだろう、それがここでは人で起こっている。何か困ったことがあったときに(いないと分かっているはずなんだけど)つい、その人に声をかけようとしてしまう。そして、いないことを思い出す。そんなことが毎日続いている」。

 岩手県大槌町で聞いた話だ。2011年3月11日に発生した東日本大震災によって、大槌町では1,285名の方々が亡くなった(行方不明者、関連死含む/2016年2月1日現在)。震災以前の人口は15,276名(2010年度国勢調査)。その比率だけでも被害の大きさが想像できる。だが、どんな数値よりも、そのときの言葉は震災の喪失の意味を強い身体感覚と共に想起させる。

 東北の地で生きる人々の肉声に向き合い、日を追って変化する現地の状況に寄り添う。『東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業(Art Support Tohoku-Tokyo)』は「被災地」に東京から決まった事業を持ち込むのではなく、時々の変化に応じた「支援事業」を、現地の人々と共に展開することを目指した。

 2011年7月に立ち上がった本事業は、岩手県、宮城県、福島県の3県を対象とし、震災以前より都内で展開していた「東京アートポイント計画」の手法を用いてきた。東京アートポイント計画は、共催事業としてNPOとアートプロジェクトを実施し、都内に無数の「アートポイント」を生み出すことを目指している。プロジェクトの持続性を支える「事務局」の体制づくりを重視し、その進行に「プログラムオフィサー」が伴走し、事業費だけでなく情報、スキル、ネットワーク等の提供も行う。この手法を反映した本事業では、必然的にパートナーとなった現地の人々と多くの対話を重ねることになった。

 本書には、現地でのパートナーとなった7名の声を収録した。インタビューは、アーツカウンシル東京プログラムオフィサーの佐藤李青と嘉原妙、編集者の川村庸子が行った。佐藤は2011年6月に東京文化発信プロジェクト室(現・アーツカウンシル東京)に着任し、本事業の立ち上げから関わり、嘉原は2015年12月より担当となった。川村は本書の制作で初めて本事業と関わり、インタビュー対象者とは、ほとんどが初対面であった。なお、インタビューに同行していないが、本事業ディレクターの森司は本事業の構想と立ち上げから、現在も事業統括を行う。わたしたちとの関係は収録内容に反映されることとなった。

 だが、同時にインタビューという手法は、その関係性に一定の距離を生み出し、それぞれの人々と「出会い直し」の機会をもたらすことにもなった。インタビューでは本事業との関わりに留まらず、震災前後からの生活や価値観の変化に触れている。

 本書が震災から5年という節目を記すものではなく、東北の地のこれまでの経験から学び、これからも続く文化的な営みへの新たな関わりの一助となれば幸いである。

佐藤李青(アーツカウンシル東京 ASTT担当プログラムオフィサー)

(『6年目の風景をきく 東北に生きる人々と重ねた月日』より)

これまでの軌跡を辿る新ウェブサイトもオープン

冊子の発行に合わせて、ASTTの公式ウェブサイトも装いを新たにしました。2016年現在の東北の風景とともに、これまでのASTTの軌跡をご紹介しています。関連発行物のご紹介やデータのダウンロードもできますので、ぜひご覧ください。

▼Art Support Tohoku-Tokyo 公式ウェブサイト
http://asttr.jp/

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ASTTの新ウェブサイト


ASTT関連リンク

公式ウェブサイト
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