東京アートポイント計画通信
東京アートポイント計画は、地域社会を担うNPOとアートプロジェクトを共催することで、無数の「アートポイント」を生み出そうという取り組み。現場レポートやコラムをお届けします。
2013/07/22
坂本POレポート 現場をひらく(3)
早いもので今年度も第2四半期に突入。あと二か月もすると、年度の折り返し地点を迎えます。現在大半の事業では、年度の実施計画をまとめる準備段階をへて、実走段階に入っているところです。
さて今回は、担当事業の中から、谷中エリアで展開している「ぐるぐるヤ→ミ→プロジェクト」のプログラム「ぐるぐるミックス」をピックアップしてご紹介します。
「ぐるぐるミックス」は、子供とアーティストとまちの大人が出会い、共に「あそび」を生み出す“こども創作教室”です。4歳児(年中)から5歳児(年長)を対象に、年18回実施。今年度で3年目となる本プログラムの特徴は、谷中のまちで働く・活動する大人をゲストに招き、各ゲストにまつわるテーマを設け、創作活動をおこなうところにあります。
例えば、谷中のまちを見守る駐在所のお巡りさんをゲストに迎える回では、重要な任務のひとつであるパトロールについてお話いただいた後、みなで「パトロールに出かける装備」を制作。アルミホイル製の自作のヘルメットや無線機、防具を身につけてパトロールに出動します。
暑い夏には「打ち水散歩」。谷中霊園のお茶処三原屋さんに、暑さ対策やお客様のおもてなしとしておこなわれる“打ち水”についてご紹介いただき、夏中使えるスペシャルアイテムとして手製の「おけ」と「ひしゃく」を制作します。
上記以外にも、これまでにケーキ屋さんや、ファッション・コーディネーター、彫刻家や、音楽家、ダンサーの方々等にご参加いただきました。まちの大人と若手アーティストとの連携により、美術的アプローチだけでなく、音楽や身体表現なども取り入れ、子供たちの興味や好奇心を引き出すようなプログラムをおこなっています。
本プログラムを企画・運営する一般社団法人谷中のおかっては、子供とゲストの出会いをコーディネートすることで、新たな発見や体験の機会を提供することを目指し、プログラムを考案。また、活動を通じて、まちの大人と子供たちが日常でも挨拶しあえるような関係性づくりに取り組んでいます。
ぐるぐるミックスの事務局は、ファシリテーターの大西健太郎を中心とした20代の若手チーム。どんなプログラムだと子供たちに楽しんでもらえるか、良い出会いが生まれるか、日々頭を悩ませながら、模索しながらも、丁寧な企画運営を心がけ活動しています。今年度は5月から翌年3月までの定期開催に加え、ぐるぐるミックスの活動を紹介する冊子も作成予定です。今後の活動ぜひご期待ください!
「ぐるぐるミックス」(平成23年度)活動風景
東京アートポイント計画プログラムオフィサー 坂本有理