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アーツカウンシル東京ブログ

アーツカウンシル東京のスタッフや外部ライターなど様々な視点から、多様な事業を展開しているアーツカウンシル東京の姿をお届けします。

東京アートポイント計画通信

東京アートポイント計画は、地域社会を担うNPOとアートプロジェクトを共催することで、無数の「アートポイント」を生み出そうという取り組み。現場レポートやコラムをお届けします。

2018/02/15

じっくり続けていくこと―Artpoint Letterより

東京アートポイント計画では、毎月1回メールニュース「Artpoint Letter」を配信しています。

2017年12月号のメールニュースより、プログラムオフィサー・嘉原妙の記事をご紹介します。


こんにちは。東京アートポイント計画の嘉原です。
早いもので2017年も残すところあと10日ほどとなりました。皆さまにとって、今年はどのような1年だったでしょうか。

東京アートポイント計画では、今年も東京の「まち」をフィールドに、人々の営みに寄り添いながら、アートを介して問いを提示する様々な取り組みを、共催団体の皆さんと共に重ねることができたように思っています。それぞれの現場で、時には考えの齟齬が生まれたり、しまった!失敗した!ということが起こったり、じんわりと喜びに包まれたりと、絶え間なく揺れ動く現場では、今年も多くの気づきと新たな問いが生まれました。各プログラムオフィサーの眼差しやことばが、その豊かな経験の一部になっていたならとても嬉しいです。

現在は、新規共催団体公募で出会った2組の団体と新しいアートプロジェクトの立ち上げに取り組んでいます。

1組目は神津島のNPO法人神津島盛り上げ隊。
「島で生きていくこと」へのシビックプライドを育むことを目指すプロジェクトです。島内で学びを育む場や、島民と島出身者を結ぶ連携プログラムなどを予定。団体として初めてのアートプロジェクト立ち上げに挑戦します。

2組目は、町田市で先進的な保育事業を展開する社会福祉法人東香会。
里山環境一帯を舞台に、土地の歴史や風土を踏まえながら、今後500年続く催しを設計する準備プロジェクトです。500年という果てしない時間を、どのようにして身体化できるのか。
人の想像力の可能性を引き出すようなアートプロジェクトが立ち上がろうとしています。

新規事業の立ち上げに伴走しながら、改めて、「このプロジェクトの核は何か」を考え続けることの重要さを実感しています。

プロジェクトのはじまりは、手探りであるがゆえにもどかしいこともあります。この説明で良かったのだろうか。感覚的には捉えていることを、上手く伝えられずモヤモヤとすることも……。でも、そのもどかしい揺らぎの奥に、なぜアートプロジェクトとして取り組むのか、何がここでのアートなのかといった根源的な問いと向き合う時間があります。その答えはすぐには見えてきません。焦らずに思考を続け、実践を重ねるほかありません。

こうして、じっくりとプロジェクトを続けていけることも東京アートポイント計画の特徴の一つなのだと思います。

今年も一年ありがとうございました。引き続き、来年もよろしくお願いいたします。
どうぞ良いお年をお迎えください。


プログラムオフィサーによる記事は、東京アートポイント計画が毎月20日前後に配信する月刊メールニュース「Artpoint Letter」でご覧いただけます。
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