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アーツカウンシル東京のスタッフや外部ライターなど様々な視点から、多様な事業を展開しているアーツカウンシル東京の姿をお届けします。

東京アートポイント計画通信

東京アートポイント計画は、地域社会を担うNPOとアートプロジェクトを共催することで、無数の「アートポイント」を生み出そうという取り組み。現場レポートやコラムをお届けします。

2019/07/17

韓国・ソウルから、視察団の皆さんが来訪!

 6月17日(月)、アーツカウンシル東京に、韓国・ソウル市から視察団の皆さんが来訪しました。
 視察団は、ソウル文化財団・ソウル市内の各自治区の文化財団で文化事業に取り組むスタッフの皆さんと、記者やコーディネーターの方といった、総勢約20名のチーム。文化財団スタッフの皆さんは「チームリーダー以下の実務者」層とのことで、若手の方も多く、それぞれの現場にフィードバックするため活発に意見交換や交流をしていました。
 今回の視察は「文化芸術を用いた地域文化活性化策づくりの模索」についての研修で、文化芸術に関わっている東京の公共機関やひと、団体などの現状に触れ、民と官の連携による事業事例の調査を実施。アーツカウンシル東京をはじめ、都内の文化拠点などを実際に巡り、様々な事例に触れていくのだそうです。
 その事例調査の一環として、アーツカウンシル東京で実施しているいくつかの事業について紹介。東京アートポイント計画チームからは、プログラムオフィサーの大内がお話しいたました。

まずは、東京都、文化財団、NPOという3者で展開している東京アートポイント計画について、事業フレームや特徴について説明。その後は、共催事業の一つ「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」の「大巻伸嗣『Memorial Rebirth 千住 2017 関屋』」の記録映像で事業を解説しました。

「Memorial Rebirth」のような大規模なプロジェクトでは特に、実施にあたってたくさんの人との関わりが必要になってきます。場所を貸してくれる人、音楽を奏でてくれる人、運営を手伝ってくれる人…そういった方々の力を元にプロジェクトを動かしていきます。「“関わりしろ”を増やしていくことを大事にしています」と述べた大内に対して、フロアからは「関わりしろって、なんですか?」との声が。

参考:ネットTAM講座「実践編「アートプロジェクト」 第4回 アーティスト、ボランティア/サポーター|アートプロジェクトを「ともに」に動かす」

悩んだ結果、通訳の方は「場所のようなもの」だと解釈。「関わりしろ」とは「プロジェクトに『関わる』ための『のりしろ』のこと」ですが、改めて「それは何なのか」と言われると、場所でもあり、マインドでもあり、プログラムに隠された工夫でもあり…と、ひとことでは言えないものなのだなと気づかされました。

また今回は、事前に質問を頂いていました。

例えば「アートポイント計画の事業において、空間や場所の発掘に住民の協力を得るための取り組みはどんなものか。その中で困難な点は何か」「Artpoint Meetingのテーマが決まるプロセスは」といった質問が。

他にも、「今後すべての資料を集め、準備段階からのプロセス、及び事業の成果などについてまとめた膨大な資料集などの発行予定があるのか」という質問も。

折よく東京アートポイント計画では、これまでの10年分の取り組みをまとめた書籍『これからの文化を「10年単位」で語るために - 東京アートポイント計画 2009-2018 -』を発行したばかり。
そのご紹介に加え、Tokyo Art Research Labウェブサイト内の図書室ページや、昨年度3月に行った「Open Room 2019 東京アートポイント計画の10年とこれから 2009年→2019年」についても紹介させていただきました。

今回のプレゼンテーションのなかでは、「新しい『試み』を、公共的な『仕組みへ』」や、「今こそ、小さな活動を」という東京アートポイント計画からのメッセージも紹介。頷きながら聞いてくださる方もいらっしゃり、「小さな活動」といった視点は、国や地域を越えて必要とされているものなのではないか、だからこそ共有できる経験やことばがもっとあるのではないか、という可能性について考えさせられる機会となりました。

*東京アートポイント計画からのご案内

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