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現場に行ってみた!! 宮本篇

東京文化発信プロジェクトが行う様々なプログラムにライターの宮本が出向き、現場からお伝えします。アート、音楽、舞台、地域プロジェクト etc… 文化は会議室ではなく、現場で生まれている!

2014/12/01

東京文化を語るトーク企画「TOKYO PAPER"Remix"002」

10月29日(水)東京・代官山蔦屋書店1号館 2階 イベントスペースで開催された、東京文化を語るトーク企画「TOKYO PAPER”Remix”002」の現場に行ってきました!

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文化のハイシーズンに東京の文化を満喫する「東京クリエイティブ・ウィークス2014」と、「代官山デザインデパートメント2014」がコラボレーションして、東京文化の楽しみ方を提案しようと代官山蔦屋書店でトーク企画を開催。今回の「TOKYO PAPER”Remix”」は、「東京の文化を研究する」というコンセプトで東京文化発信プロジェクト室が発行しているフリーペーパー「TOKYO PAPER for Culture」に登場した人々を招き、ここでしか聞けない話を伺います。

去る10月26日(日)にはデザインディレクターの柳本浩市さんと作家のロバート・ハリスさんをゲストに迎え「TOKYO PAPER”Remix”001」を開催。「TOKYO PAPER”Remix”002」となる今回は、前回に続いてのゲスト、作家・ロバート・ハリスさんに、ミュージシャンの坂本美雨さんをお迎えしてお届けします。進行は、東京文化発信プロジェクト室の森隆一郎(ブログでお馴染み”もりりゅう”)さん。平日の夜の開催にも関わらず、会場にはたくさんのお客様が集りました。

もりりゅうさんとロバートさんはこのイベント企画2度目の出演。ロバートさんと坂本さんは、以前J-WAVEでラジオ番組「midnight garden」(2005年4月~2007年3月放送)で一緒にナビゲーターを務めていたというだけあって、息もぴったり!東南アジア、バリ、オーストラリアなどに16年滞在したロバートさんと、9歳の頃日本からアメリカ・ニューヨークに移住し多感な10代を海外で過ごした坂本さん。国外に長く暮らした経験を持つお二人から眺めた「東京文化」の今、これからについて語りました。

この日のトークテーマは「ラジオと書店と猫から探るまちの文化度」。ゲストのお二人に欠かせない「ラジオ」の話、話の随所にちりばめられる「ネコ」の話、そして「2020年東京オリンピック」の話など、ざっくばらんに話が展開しました。

まずはゲストのお二人が出会った場所でもある「ラジオ」の話から。ラジオは街ごとにコミュニティラジオなどがあり地域性が高いもので、パーソナルな近さを感じられるのが魅力。2011年の東日本大震災の際も、その土地で本当に必要な情報を正確に素早く伝えていたのもラジオでした。「耳から入る情報の柔らかさを感じる」と坂本さん。一番近くで、寄り添っているメディアであり、”友達”のような存在が「ラジオ」なのかもしれません。

この日、印象的だったのがカルチャーについての話。1972年に日本から海外に飛びだったロバートさん。当時の日本には、既存の文化や体制に対抗した文化”カウンターカルチャー”があったと話します。しかし、1989年に日本に戻ってきた時にはその影も薄くなっていた。今日本に溢れるサブカルチャーに、カウンターカルチャーの要素は感じず、うまく社会に溶け込んだものになっていると感じているとのこと。石橋をたたかないで、一歩を踏み出していいと思う。もっとハチャメチャやって欲しい」とロバートさん。対して坂本さんは、「多様化するのはいい時代」と話します。

最後は、2020年東京オリンピックの話へ。オリンピックに向けて様々な文化プログラムがスタートするカルチュラル・オリンピアードは2016年秋からスタート。その時まであと2年。それぞれが思い描く日本・東京の姿とは。
オリンピックは、海外からたくさんの人が訪れる貴重な機会。世界に目を向け、自分達の住む土地を見直す絶好のチャンスでもあります。「言語能力やコミュニケーション力を高める」「小さい地域でそれぞれの地域の特色を案内出来るガイドを置いたり、冊子を作る」など様々なアイディアが飛び出した。また、今回のトークテーマにもある「文化」についてはゲストのお二人からこんな言葉がでました。

ロバート:カフェなど小さい場所から文化が始まっている。ここ(代官山蔦屋書店)のような場所がどんどん増えていってほしい。

坂本:日常の中にもっと文化が入り込んでいってほしいと思う。文化は日常と結びついていないと何も生まれない。多様化したことで、自分のしていることが、実は大きなことに結びついているという意識がない。

様々な事柄が多様化する中で、個は大きくなるものの、それぞれのつながりが薄れつつあるように感じます。小さな働きかけが世界を変えるチャンスになる。オリンピックという大きなイベントの成功の鍵は、実は一人ひとりの日常、人とのつながりの中にあるのかもしれません。

2020年東京オリンピックが終わっても、「東京」というまちは続き、人々の暮らしも続いていきます。オリンピックが終わったあと、残るもの、残しておきたいこととは。

ロバート:人間の生き方、クオリティがあがって欲しいと思う。どうやって自分の日常を満たす生活が出来るまちづくりができるのか。インフラは今以上に整っていくと思うが、そういうことではなく、 内面的なものを改善して、今以上に海外の人に誇れる素晴らしい場所になっていたらいいなと思う。

坂本:クオリティ・オブ・ライフを、どうやって一人ひとりがあげていくか。コミュニケーションのことで言うと、家族や友人と正直にぶつかること、人との付き合いを知ることを楽しめるような子供が増えたらいいなと思う。恋愛においても正直に物を言えないとか、コミュニケーションがもどかしい感じがしていて、音楽や自分が持っている何かしらでひも解いていきたいという気持ちがある。知らない人と関わるのは楽しい、ケンカすることですら本当はすごく楽しい。生身で人と向き合って、知り合う楽しさを感じてほしいと思う。

ロバート:ニューヨークのように、喜怒哀楽を表すような社会になってほしいね。

「ネコ」から「文化」、そして「2020年東京オリンピック」の話まで、様々な角度から「東京」を語った、終始笑いの絶えないボリューム満点の90分。このようなトーク企画の時間、そこに集まった人々がそれぞれの思いを持ち帰り、日常につなげていくことが、東京文化の発展につながっていくのだろうと感じた夜でした。

■ TOKYO PAPER”Remix”002 ■
2014年10月29日(水)19:00~20:30
代官山 蔦屋書店 1号館 2階 イベントスペース(〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町17-5)
ゲスト:ロバート・ハリス(作家)× 坂本美雨(ミュージシャン)
進 行:森隆一郎(東京文化発信プロジェクト室/ TOKYO PAPER for Culture発行人)
主 催:代官山 蔦屋書店
連 携:東京クリエイティブ・ウィークス(公益財団法人東京都歴史文化財団 東京文化発信プロジェクト室)
http://tsite.jp/daikanyama/event/004409.html

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