東京アートポイント計画通信
東京アートポイント計画は、地域社会を担うNPOとアートプロジェクトを共催することで、無数の「アートポイント」を生み出そうという取り組み。現場レポートやコラムをお届けします。
2016/04/15
東京アートポイント計画、4つのキーワード
2009年に立ち上がり、都内各地で様々なアートNPOと共にアートプロジェクトを手がけてきた「東京アートポイント計画」が、初めての共催団体の公募をスタートしました。(詳細はこちら)
ディレクターの森司いわく、「来たるべき社会に応答するための活動」として始まった東京アートポイント計画。どんな目的を持った取り組みなのか? NPO育成を重視する理由は?そしてアートプロジェクトが社会に果たす役割とは?
8年目を迎えた東京アートポイント計画を、4つのキーワードから改めてご紹介します。
その1「無数のアートポイント」
東京アートポイント計画では、これまでに41団体と32のアートプロジェクトを共催。(写真:「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」 大巻伸嗣「Memorial Rebirth 千住 2015 足立市場」)
そもそもアートポイントって?
「アートポイント」とは、アートプロジェクトが継続的に動いている場であり、その活動をつくる人々が集まる創造的な拠点のこと。単に場所を指しているのではありません。アーティスト、運営スタッフ、ボランティア、その場を楽しむ来訪者も含めて「アートポイント」を形成しています。東京をもっと魅力的な街にしたい。そんな想いから、2009年4月に東京アートポイント計画が始まりました。
しくみをつくる
多様なジャンルのアートプロジェクトを展開することで、街の人々が関わる「余白」を拡げます。その余白は、日常では出会うことのない人と人をつなぐでしょう。重視しているのは、地域の資源を活かし日々の営みに寄り添っているか。そして、社会の課題に気づきをもたらし新たな価値づくりに挑戦しているか、です。
その2「可能性を秘めたNPO」
アートプロジェクトを支えるのは、ヒト=事務局だ。「東京迂回路研究」であれば、NPO法人多様性と境界に関する対話と表現の研究所と共催している。(写真:「東京迂回路研究」 フォーラム「対話は可能か?」 撮影:冨田了平)
助成ではなく、NPOとの「共催」
東京アートポイント計画は、アートプロジェクトごとに都内各地のNPO※と「共催」しています。アートポイントの中核にNPOというチームがあると、活動の担い手が集まりやすく、多様な人や情報といったネットワークが広がり、創造的な活動として続いていくからです。人と人をつなぐアートポイントにとって、NPOは不可欠な存在です。
※NPO法人のほか、一般社団法人など非営利型の組織も含む
運営が安定するまで支援
NPOが立ち上がり、運営が安定するまでには時間がかかるもの。そこで複数年にわたって、活動と組織の両面の成長を支援しています。特に重視しているのは、その持続性のカギとなる「事務局」の体制づくりです。はじめは小さなチームからのスタートでかまいません。地域社会で活動を続けていきたい、そんな想いを持つチームを応援しています。
その3「あの手この手で伴走」
アーツカウンシル東京・東京アートポイント計画チームには「プログラムオフィサー」が所属している。多様なバックグラウンドを持つメンバーが各プロジェクトを担当。
一緒に走るプログラムオフィサー
東京アートポイント計画の特徴は、プロジェクトごとに「プログラムオフィサー(PO)」と呼ばれるスタッフが伴走すること。POは、行政とアートプロジェクトの現場をつなぐプロフェッショナルです。内容をより充実させるため、体制づくりを支えるため、そして将来の展望を描くため、中間支援の立場からNPOメンバーと対話を重ね、アートプロジェクト実施へともに走ります。
多岐にわたるサポート
「より良いプログラムにするには?」「こんな事態になり困った」など、アートプロジェクトの現場では多くの悩みや課題に直面します。わたしたちがサポートしているのは事業費用だけではありません。POを通した情報、スキル、ネットワークの提供をしています。また、Tokyo Art Research Lab※と連携し、アートプロジェクトのために開発した新手法やツールの提供、現場を支える人材の育成と紹介も行っています。
※「Tokyo Art Research Lab(TARL)」はアーツカウンシル東京の人材育成事業。「思考と技術と対話の学校」と「研究・開発」の2つのプログラムを実施。成果とプログラム詳細はTARL公式ウェブサイトにて公開中。
その4「東京の未来を自分たちで」
東京アートポイント計画の各プロジェクトから生まれた様々な成果物。東京に存在する特色あるエリアや、社会的テーマに関わるアートプロジェクトが今日も動いている。
人が街の文化をつくる
たくさんのモノが集まり、日夜イベントが開催され、多くの人が訪れる巨大都市「東京」。でも刺激的な街にただ身を任せるのはつまらない、東京の文化に主体的に関わり続けたい―。そんな想いを抱く人と一緒にアートポイントを育みたいと、わたしたちは考えています。なぜなら、いつの時代も街の文化をつくるのは、街に生きる人々だから。東京の文化、そして未来を一緒につくりませんか。
東京アートポイント計画へアクセス!
アートポイントへの参加方法はさまざま。まずは年間約100件開催されるアートプログラムに来てみませんか。もっと深く関わりたい人は、アートプロジェクトのボランティアとして参加するのもおすすめです。
また、冒頭でお伝えしたとおり、わたしたちとアートプロジェクトを共催するNPOも公募しています。詳しくは下記ページでご覧ください。
・平成28年度「東京アートポイント計画」新規共催団体公募のご案内
・東京アートポイント計画について
・東京アートポイント計画パンフレット[PDF]
*東京アートポイント計画からのご案内
・東京アートポイント計画について
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