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アーツカウンシル東京ブログ

アーツカウンシル東京のスタッフや外部ライターなど様々な視点から、多様な事業を展開しているアーツカウンシル東京の姿をお届けします。

ACT取材ノート

東京都内各所でアーツカウンシル東京が展開する美術、音楽、演劇、伝統文化、地域アートプロジェクトなど様々なプログラムを外部ライターが取材し、現場の様子をお届けする取材日記です。

2016/10/26

初心者から経験者まで楽しめる「東京大茶会2016」開催!一期一会のお茶を囲み“和の心”を学ぼう

秋めいてきた2016年9月24日(土)、25日(日)に、江戸東京たてもの園で、東京大茶会2016が開催されました。取材に行った24日はあいにくの雨模様でしたが、雨音や鈍色の空も風流に感じられてくるから不思議です。

毎年、日本文化を体験しようと多くの方が集まる東京大茶会。雨の中、着物姿の方も多く見られ、お茶や景色を楽しんでいました。

東京大茶会2016で“和の心”を学ぶ

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東京都とアーツカウンシル東京が主催する「東京大茶会2016」は、江戸東京たてもの園と、浜離宮恩賜庭園の2か所で行われました。

江戸東京たてもの園では、茶席、野点(のだて)、WELCOME!英語で楽しむ茶席、茶道はじめて体験、子供のための茶道教室が園内の歴史的な建造物の中などでそれぞれ行われました。

今回は、その中からいくつかのプログラムをご紹介します。

外国人観光客に人気!「WELCOME!英語で楽しむ茶席」

こちらは日本人と海外からの外国人観光客などが一緒にお茶席を囲むプログラム。通訳の方の解説に耳を傾けながら、先生の丁寧な動きに目をみはります。

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オーストラリアから家族で日本に旅行に来たこちらの男の子は、初めて日本の文化体験イベントに参加したそう。

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「お茶の味は今まで飲んだことがないくらい苦かった」とのことですが、正座やお辞儀は、彼のルーツである中国でも馴染みのある所作。違和感なくできた、と話していました。

ペアになってお茶を点てる「茶道はじめて体験」

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こちらは先生にアドバイスをいただきながら、二人一組になってお茶を点てる「茶道はじめて体験」です。

お茶の前に、まずお菓子を一口サイズに切り分けていただきます。お菓子を乗せた懐紙(かいし)は、食べ終えたら畳んで手元に置いておきます。

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きめ細かい泡を立てるのが裏千家、あまり泡を立てないのが表千家のお茶の特徴だそう。柄が相手に見えるようにお茶碗を置き、いただく側は泡まできちんと飲み干すのがマナーです。

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飲み終えたら、お茶碗の口元を親指と人差し指で拭き取り、先ほどの懐紙で指先を拭います。そして、正面にしてお茶碗を相手へ返します。

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初心者でも、気軽にお茶に触れられる「茶道はじめて体験」。東京大茶会に参加するのはこれで3回目というブルガリア人の女性と、彼女に誘われて初参加したという韓国人の女性にお話を伺いました。

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「お茶の世界では、何事も一期一会だという考え方があると先生に教えていただき、とても興味深かったです。この人たちがこの場に集まることも、お茶の味も、天気も、今日限りのものだというお話が印象的でした。」

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「私はお茶を習っているのですが、茶道は瞑想をしているようで心が落ち着きます。雨の音も心がリラックスできて、また次回参加するのが楽しみです。」

野外で楽しむ茶道「野点」

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取材当日は、一日通してあいにくの雨……。野点は野外で行うお茶会ですが、テントが張られ、その下でお点前をしていました。

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お菓子は、初雁(はつかり)という渡り鳥をイメージしたお干菓子と琥珀糖というもみじのお菓子をいただきました。

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野外では、様々な工夫で茶室の空間を見立てることで、お茶をより楽しめる雰囲気を作り出します。この日は床の間の掛け軸に見立てて短冊(「渓風万里の秋」と書かれたもの)を下げたり、空間を仕切るために竹でできた結界(けっかい)と呼ばれるものを置いたりしていました。

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野点に限らず、茶席は一般的にお点前をする場所や時間、季節や天候に合わせて、道具やお菓子を用意します。雨模様で分厚い雲が空を覆っていたこの日は、鮮やかな青の水指(水を入れておく焼き物)と、金箔で覆われた棗(なつめ:抹茶を入れる容器)が、場を華やげました。

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お茶をいただいたあと、先生たちとお茶談義に花を咲かせている方々もいました。

作法や礼儀を学べる東京大茶会

ふだん、あまり気にしていないちょっとした所作や礼儀など、改めて見直すきっかけにもなった「東京大茶会」。伝統的な規律のある動きやマナーは、日本で暮らしていると言えど、なかなか触れる機会がありません。

風情ある景色を眺めながら、趣あるお茶の世界を堪能できた一日となりました。


東京大茶会2016開催概要

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