東京アートポイント計画通信
東京アートポイント計画は、地域社会を担うNPOとアートプロジェクトを共催することで、無数の「アートポイント」を生み出そうという取り組み。現場レポートやコラムをお届けします。
2013/09/26
長尾POレポート プロジェクト日誌(5)
まちみてマップ第3版が完成!
「墨東まち見世」アートプラットフォームで制作していた『BOKU-to-TekuTeku まちみてマップ』の最新版が、先日無事オフィスに到着しました。
平成21年度から24年度に展開したアートプロジェクト「墨東まち見世」を通じて、あるいはそれ以前から、まちなかで活動するアート拠点やプロジェクトのネットワークを一望できるこのマップは、昨年度初めて制作し、早くも第3版になりました(年1回更新予定)。
今回紹介されているのは、24のアートスポットと20のプロジェクト。合計40を超える活動体です。1年の間に拠点は3増3減、プロジェクトは5増1減と4つ増えました。昨年の100日プロジェクト『曳舟湯怪』の作品が今も見られる銭湯がアイコンで示されたのをはじめ、基本のスタイルは同じながら、随所に更新点や細やかな工夫があります。
墨田区内の循環バス「すみまるくん」のバス停追加もそのひとつ。路地の入り組んだ墨東エリアを初めて訪れる方にとっても親切な仕上がりになりました。
事務局メンバーや、マップづくりを核に今年新たに始まったフォーラム「まちみてマップの会」の参加者を中心とした丁寧なリサーチが反映され、充実化したこのマップは、何度もエリアに足を運んでいる方でも新たなまち歩きの在り方を試せる、可能性に満ちたものとなっています。今年度はさらに、英語版のパイロット制作にも取り組みます。
あらためて、A2判のマップを一面に広げて「墨東エリア」を眺めていると、暮らしの中で何らかの想いを持って活動しているさまざまな“個性”のうごめきあいが聞こえてくるようです。「アートが地域に溶け込んだ」というベクトルではなく、むしろ墨東に流れる日常的な時間や風景、生活のひとこまなどの延長上に連なる“アート”的な小さな営みが、まちなかに集積しているといった方がいいのかもしれません。
この先このエリアが、そしてこの地図は、どのように変化していくのでしょうか。来年にはさらなるアートポイントが、この地図上に書き込まれているかもしれません。
「墨東まち見世」を展開していた頃から、どちらかといえば事業主催型でなく、エリアのさまざまな資源をシェアするプラットフォーム型の事務局のあり方を模索してきた本プロジェクト。その「墨東スタイル」の追究は、これからが本番です。
定期的に開催中の「まちみてマップの会」では、アーティストや住人など集まったメンバーたち自身が、自らのエリアや活動を、そのユニークさや新鮮さも含め誇りを持って捉え直していく姿が垣間見られます。ますます加速する墨東スタイルが今後どんな新しい持続の形を見出すのか、目が離せません!
来る11月2日(土)には、まち歩きやトークを通してこのエリアを堪能する一日『BOKU-to-TekuTeku まちみてさんぽ・まちみて交流サロン』も開催予定です。
事務局が発信している「墨東ニュース」はこちらからどうぞ。
墨東カラーでおなじみの緑色から衣替え。あたたかな色味は、秋のまち歩きシーズンにもぴったりです。
オレンジ色の表紙を目印に、第3版を是非お手にとっていただければ幸いです。
東京アートポイント計画 プログラムオフィサー 長尾 聡子