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アーツカウンシル東京ブログ

アーツカウンシル東京のスタッフや外部ライターなど様々な視点から、多様な事業を展開しているアーツカウンシル東京の姿をお届けします。

ACT取材ノート

東京都内各所でアーツカウンシル東京が展開する美術、音楽、演劇、伝統文化、地域アートプロジェクトなど様々なプログラムを外部ライターが取材し、現場の様子をお届けする取材日記です。

2017/10/04

多摩に息づく伝統文化を街なかで体験!

さまざまないにしえの文化が現代に受け継がれている多摩エリア。
2017年9月9日(土)・10日(日)、八王子駅前を舞台に、これらの伝統文化を体感できる「伝承のたまてばこ〜多摩伝統文化フェスティバル2017〜」が開催されました。
野外ステージでの歌舞伎や芸妓衆の公演、織物や茶会の体験などが全長約500mの商店街「西放射線ユーロード」のいたるところで行われ、にぎわいを見せた本プログラム。その1日目の様子をレポートします!

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茶会 〜街なかで日本流おもてなし〜

まずは、八王子茶道連盟による茶会体験を見学。初心者でも参加でき、老若男女がおもてなしを受けていました。

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取材した回の参加者は15名ほど。朱色で彩られた風流な特設ブースで、お抹茶とお菓子が振る舞われます。

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小学生くらいの男の子もお抹茶に興味津々。和気あいあいとした雰囲気のなかで、参加者たちが思い思いに茶席を楽しんでいました。
堅苦しいイメージを持ちがちな伝統文化を気軽に体験できるのは、このイベントの魅力のひとつです。

八王子芸妓衆の華と粋 〜艶やかにおもてなし〜

野外ステージでは、芸妓衆による公演がスタート。
八王子には今でも多摩地区唯一の花街が残っていて、昨年、約50年ぶりに17歳(当時)の芸妓の卵「半玉」がデビューしたことでも注目を集めました。
その「半玉」さんも出演するこの舞台。開演前からたくさんの人が集まり、ひときわにぎわっていました。

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芸妓衆が登場すると、観客から「待ってました!」という声が上がります。

手前の山車では、芸妓さんたちが三味線や唄、太鼓などを生演奏。迫力たっぷりの音にあわせて、華やかな踊りが披露されました。

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観客のなかには、手拍子を打ったり、一緒に歌を口ずさむ人も。大きな拍手に包まれて、約30分のステージは幕を閉じました。

ファッションショー「温故知新」★八王子Style★

商店街の真ん中にランウェイが出現! 着物アーティストの重宗玉緒さんと、多摩織の伝統工芸士である澤井伸さんがタッグを組んで生まれたファッショナブルな着物のショーが始まりました。

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コンセプトは、伝統的な和装をアレンジした「リアルファッションとしての着物」。カラフルで大胆な柄のテキスタイルの着物に現代風のヘッドドレスやバッグ、シューズを合わせたポップな装いが、観客たちの目を引きます。

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ショーの最後には、重宗さんと澤井さんが登場。「個性を表現できる着物を、ぜひふだん着として楽しんでほしい」と思いを語ってくれました。

華やかな衣裳でお目見え 〜人力車「お練り」巡行〜

続いては、昨年も好評を博した人力車のお練り巡行の始まりです。この日は、菅生歌舞伎の一座を乗せてユーロードを練り歩きました。

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スタート地点はユーロードの入り口。人力車がずらりと並び、粋な口上が観客たちを盛り上げます。人力車に乗った子供役者たちはちょっと緊張した様子。いよいよお練りのスタートです!

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堂々としたお練りはまさに圧巻。タイムスリップしたかのような光景が広がり、道端の観客たちは思わず人力車の列に続いていました。
巡行はユーロードの終点まで続き、締めの口上が披露されると周囲からは拍手が起こりました。

菅生歌舞伎 〜菅生一座〜

最後は菅生一座による「子ども歌舞伎」を鑑賞しました。
菅生一座は、あきる野市の農村歌舞伎「菅生歌舞伎」を後世に受け継いでいくために結成された一座です。

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舞台前列に立っているのは、先ほど人力車に乗っていた子供たち。大勢の観客たちが、その凛とした立ち居振る舞いに見入っていました。

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菅生一座の舞台や衣裳はすべて手作りだそうです。明治時代に起源を持ち、昭和初期に始まったという菅生歌舞伎。昔の人たちも、こうして自分たちで芝居をつくり、楽しんでいたんだろうなと想像が膨らみます。

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このほかにも、祭囃子や車人形の公演、織物体験などさまざまなプログラムが2日間にわたり行われ、大盛況のうちに幕を閉じた「伝承のたまてばこ〜多摩伝統文化フェスティバル2017〜」。地元の人だけでなく他エリアに住む人や外国人も多く参加し、ふだんは触れることの少ない伝統文化を身近に感じる機会となりました。
地域の人々に愛される伝統文化が、これからも大切に受け継がれていきますように。


伝承のたまてばこ〜多摩伝統文化フェスティバル2017〜

  • 日程:2017年9月9日(土)、10日(日)
  • 会場:JR八王子駅北口(西放射線ユーロード、三崎町公園、中町公園、横山町公園)
  • 主催:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、八王子市、公益財団法人八王子市学園都市文化ふれあい財団
  • 助成・協力:東京都
  • 「伝承のたまてばこ〜多摩伝統文化フェスティバル2017〜」イベントページ:https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/events/20833/

撮影:鈴木穣蔵
取材・文:平林理奈

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