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アーツカウンシル東京ブログ

アーツカウンシル東京のスタッフや外部ライターなど様々な視点から、多様な事業を展開しているアーツカウンシル東京の姿をお届けします。

ACT取材ノート

東京都内各所でアーツカウンシル東京が展開する美術、音楽、演劇、伝統文化、地域アートプロジェクトなど様々なプログラムを外部ライターが取材し、現場の様子をお届けする取材日記です。

2017/10/31

はじめての伝統工芸。小学校で東京手描友禅の体験授業を開催

アーツカウンシル東京では、都内の小学校〜高校と特別支援学校を対象に、授業のなかで伝統文化・芸能を体験できる「子供のための伝統文化・芸能体験」というプログラムを行っています。

狂言や落語、三味線、日本舞踊、茶道などジャンルはさまざまで、教えるのはすべてその道のプロ! 今回は、2017年9月28日(木)に練馬区立早宮小学校で行われた「東京手描友禅」の授業の様子をお伝えします。

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友禅ってなに? 座学で歴史や制作工程を学ぶ

今回のプログラムでは2〜4時間目を使って、4年生の全3クラスで同時に実施しました。講師を務めるのは、東京都工芸染色協同組合所属の職人さんたち。1クラスにつき2人体制で行いました。

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まずは座学で東京手描友禅の歴史や制作工程を学びます。
「昔の人はふだんから着物を着ていたんだよ」といった文化のお話から、草木染めや藍染めなど染料による染物の違いまで丁寧に説明。職人がつくった反物を披露すると、子供たちから「おお〜!」と歓声が上がりました。

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友禅染めに使う道具や染料を間近で観察。はじめて見る道具の独特の形状に興味津々です。

自由なアイデアが光る色挿し体験

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短い休み時間を挟み、4人前後の班にわかれて色付け体験の準備を開始。各班に筆と色とりどりの染料が配られました。

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今回は、あらかじめ紅葉やコマの線画が描かれた布に色を挿していきます(友禅では、色付けすることを、色を「挿す」と表現するそう)。
講師による筆の使い方やきれいに塗るコツの説明に、子供たちはワクワクした表情で耳を傾けます。

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説明が終わったら、いよいよ色挿し体験のスタートです。
何色を選ぶか、どこに挿すかを慎重に吟味する子もいれば、迷いなくどんどん塗り進める子も。自由な発想で絵柄を彩っていきます。

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にぎやかな休み時間とはうって変わって、教室には心地よい静けさが広がります。真剣な眼差しで筆を運ぶ子供たちの集中力におどろかされました。

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最初は染料のにじみ具合や慣れない筆の使い方に苦戦していた子もだんだんとコツをつかんでいき、いつの間にか夢中で描いていました。
誰かが裏面から見ると色が違って見えることを発見して布を掲げると、まわりの子たちが次々に真似するひと幕もありました。

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約30分間の作業で完成! まさに十人十色の作品がずらりと並びます。にじみをうまく利用してグラデーションをつくり、立体的に仕上げている子も。どれもすばらしい出来栄えです!

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最後は今日のまとめ。講師が子供たちに感想を聞くと、「楽しかった!」「難しかった」といろいろな声があがりました。
質疑応答では、「細かいところはどうやって塗るんですか?」「(今日体験で使った布)1枚塗るのにどれくらい時間がかかるんですか?」といったギモンから、「どうして職人になろうと思ったのですか?」と大人のインタビュアーさながらの質問も飛び出しました。
こうして体験授業はあっという間に終了。できあがった作品は京都に送られ、糊を落として約3週間後に学校に届く予定です。

日本の文化でありながら、ふだんはなかなか触れる機会のない伝統工芸。講師の方から学び、実際に体験してみることで身近に感じられたのではないでしょうか。
今回の授業を通して、子供たちの興味はきっと広がったはず。貴重な体験と楽しかった時間を、長くおぼえていてくれたらいいなと思います。


撮影:鈴木穣蔵
取材・文:平林理奈

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