ACT取材ノート
東京都内各所でアーツカウンシル東京が展開する美術や音楽、演劇、伝統文化、地域アートプロジェクト、シンポジウムなど様々なプログラムのレポートをお届けします。
2018/08/31
Music Program TOKYO(2)ミュージック・ワークショップ・フェスタ<夏>:年齢も国も超えて夢中になる音楽ワークショップ
2013年からスタートした、東京文化会館とポルトガルの音楽施設「カーザ・ダ・ムジカ」が連携して行う音楽ワークショップが集結する「ミュージック・ワークショップ・フェスタ<夏>」。今回の開催では、11のワークショップが計20回開催されました。
そのなかから、JR王子駅近くにある「北とぴあ」で行われたふたつのプログラムを紹介します。
> 「ワークショップ・リーダー育成プログラム」を受講し、ワークショップに出演した修了生のインタビューはこちら
めざせ!おんがく忍者!
5〜6歳の未就学児とその保護者を対象にしたこのプログラム。
忍者に扮したワークショップ・リーダーが、5つの“音玉(おとだま)”を集めようと子供たちに呼びかけます。
©︎Mino Inoue
音玉は、「修行」と称した音遊びをクリアすることで集めることができます。
参加者の名前を取り入れた歌をみんなで歌ったり、わらべ歌を歌いながら簡単なダンスにチャレンジしたり。最初は緊張した様子だった子供たちも、徐々に打ち解けていきます。
©︎Mino Inoue
©︎Mino Inoue
終盤には、ワークショップ・リーダーのまわりに集まって積極的に参加する子供たち。
大きな声で歌い、踊り、音楽を体いっぱいに感じた参加者たちは、いつのまにかみんな笑顔になっていました。
One Day コーラス
小学生から大人を対象にした「One Day コーラス」は、カーザ・ダ・ムジカのメンバーがリーダーを務める歌のワークショップです。
集まった参加者たちは老若男女さまざま。まずは、ピアノに合わせて会場内をリズミカルに歩いたり、音楽を用いたゲームを通してウォーミングアップをします。
次に登場したのは、カーザ・ダ・ムジカのジョルジュ・プレンダスさん。楽譜を使わない今回のワークショップでは、ワークショップ・リーダーが歌い、参加者たちはそれを真似することでメロディーを覚えていきます。
メロディーを覚えたら、一節ずつ歌詞をつけていきます。歌詞を思いついた参加者が手を挙げ、発表していくというかたち。
子供たちの自由な発想におどろかされつつ、「今日はうれしいな 壁を壊して 明日は楽しみ パイ投げよう」という歌詞ができあがりました!
完成した歌を、みんなで歩きながら歌ったり、輪唱したりして楽しみます。
次に登場したリーダーはジョアナ・アラウージョさん。
先ほどと同じように、その日のテーマになる曲のメロディーを歌うことで覚えていきます。
この歌の歌詞は外国語。子供たちは、歌を通して味わう初めての語感に戸惑いつつも、大人たちに負けないくらい一生懸命に歌っています。
4グループに分かれて、動きをつけながら輪唱します。少し難易度が上がったので、間違えてしまう人もちらほら。しかし間違いも楽しさに変え、笑い合いながら夢中になって歌っていました。
たくさんの子供と大人が参加したワークショップの数々。
特別なスキルを必要とせず、純粋に音を楽しめるプログラムの様子に、性別や年齢、国籍を超えて人々をつなぐ音楽の力をあらためて感じました。
次の「ミュージック・ワークショップ・フェスタ」の開催は冬を予定しています。
※ミュージック・ワークショップ・フェスタ<冬>の情報はこちら
ミュージック・ワークショップ・フェスタ<夏>
- 日程:2018年7月21日(土)〜29日(日)
- 会場:東京文化会館、北とぴあ、北区滝野川会館
- 主催:東京都、東京文化会館・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
- イベントページ:https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/events/28078/
撮影:鈴木穣蔵
写真提供:東京文化会館(撮影:Mino Inoue)
取材・文:平林理奈