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アーツカウンシル東京ブログ

アーツカウンシル東京のスタッフや外部ライターなど様々な視点から、多様な事業を展開しているアーツカウンシル東京の姿をお届けします。

東京アートポイント計画通信

東京アートポイント計画は、地域社会を担うNPOとアートプロジェクトを共催することで、無数の「アートポイント」を生み出そうという取り組み。現場レポートやコラムをお届けします。

2020/04/24

捨てられないものってありますか? 気になるあの本、この本。― アートプロジェクトの本棚 (その3)

「東京アートポイント計画」「Tokyo Art Research Lab」「Art Support Tohoku-Tokyo」の3事業から発行された200冊以上の本は、ウェブサイトからダウンロードして読むこと、宅配便で受け取ることもできます。
※本のPDFは無料、宅配の場合も送料のみのご負担でお届けします。お申し込みはこちらから。
※一部、データを公開していないものや、在庫が少なく送付ができないものもございます。

前回に引き続き、東京アートポイント計画のプログラムオフィサーが、おすすめのセットを組んでみました。気になる本をみつけたら、ぜひ紹介リンクをクリックしてみてください。ピンと来ることばや、気になる視点に出会えるかもしれません。

捨てられないものってありますか?

ただの砂、電球、古い扉、重たいガラス板、お守り、長いストロー、コンセントの蓋、壊れたスピーカー、柄のいい手ぬぐい、BB弾、試作の土偶、ライト、非常口の看板……。

誰かにとっては不要だけど、自分なりに価値を見出して側に置いているものがある。部屋に並べてあると、ちゃんと自分の趣味に合ったものだとも感じる。そんなものは、ありませんか?

この3冊のなかでは、そんな「捨てられないもの」がたくさん登場します。ページをめくるごとに色々なストーリがあり、読んでいくにつれて「その人らしさ」が少し垣間見れるような気がするのです。ものを通して人に出会うような、試みの数々がここに詰まっています。

家にこもりがちな日々ですが、本をお供に今一度部屋にあるものを眺めてみるのもいいかもしれません。(村上愛佳)

▼捨てられない人におすすめの3冊
『すてたいけどすてられないモノ Document』
『思考と技術と対話の学校 基礎プログラム3 [対話編] 2016 プレイパーク・パーティーを考える日』
『「思索雑感/Image Trash」2004-2015ー校正用ノート』

アートに目覚めた高校生へ

「なにかに目覚める」、そんな素敵な出来事が高校生には起こりやすい気がする。

ただ、高校生がアクセスできる世界はそこまで広くない。もっとたくさんのことが知りたいのに、どこに手を伸ばせばいいのか、どこで学べばいいのか、分からないこともある。もしもアートに目覚めた高校生に相談されたなら、おすすめしたいのはこの3冊だ。

『アーティスト・イン・児童館 西尾美也プロジェクト ことばのかたち工房 制作記録集2008-2009』と『山城大督 三宅島映像プロジェクト「VIDEO LETTERS」 ビデオレター:7年後の「わたし」へ』は、アーティストの営みが、写真とアーティスト自身のメッセージで辿れる本(プロジェクトに参加した高校生がうらやましく思えるかも)。

もっとアートについて学びたい、というときには『アートプロジェクトの0123(オイッチニーサン)』がおすすめ。ちょっと難しいところもあるかもしれないけど、アートの歴史やアーティストの作品、アートプロジェクトを支える活動のことなどを学ぶことができる。

誰かの好奇心のエンジンを加速させるきっかけになってくれたら、うれしい。(岡野恵未子)

▼アートに目覚めた高校生におすすめの3冊
『アートプロジェクトの0123』
『西尾美也プロジェクト ことばのかたち工房 制作記録集2008-2009』
『山城大督 三宅島映像プロジェクト「VIDEO LETTERS」 ビデオレター:7年後の「わたし」へ』

挿絵にキュンとする(読むのもいいけど絵を眺めるのもいい)

本を開いてパラパラとページをめくっていると、ふと目に留まった絵。ん? これはなんだろう…? とじわっと惹かれる絵や目も覚めるような色鮮やかな絵を見つけたとき、うれしくなることってありませんか?

『アートプロジェクトを紡ぐ -伝える・ひらく・つなげるためのヒント集』(装画・挿画:蓮沼昌宏)は、表紙・裏表紙のカラフルな絵が目を惹く一冊。本書のタイトルを想像して描いたという絵は、躍動感に溢れ、元気をもらえます。

『松島湾のハゼ図鑑』『松島湾の牡蠣図鑑』『松島湾の船図鑑』(挿絵:9days DESIGN)は、ほのぼの愛らしいイラストに心を奪われます。松島湾域の文化へ向けられた愛溢れる眼差しや、知る・学ぶことへの喜びの実感が詰まった図鑑シリーズです。

『巡礼ノート ー日常を歩きなおす人のためにー』(挿絵:寺本愛)には、5人の「ロールモデル」と呼ばれる人々が描かれています。未知を恐れず軽やかにあるく人、なにものにも囚われず自由な佇まいの人、ささやかな出来事に気づく人、素直に気持ちを表す人、冷静で堅実な人。私はこの人に似ているかなと想像しながら眺めてみるのもきっと楽しい1冊です。(嘉原妙)

▼キュンとする挿絵のあしらわれた2冊+2シリーズ
『アートプロジェクトを紡ぐ─伝える・ひらく・つなげるためのヒント集』
『松島湾のハゼ図鑑』『松島湾の牡蠣図鑑』『松島湾の船図鑑』

『巡礼ノート 日常を歩きなおす人のために』

「学校」へ行こう!

小学生のとき、すごく飛ぶ紙ヒコーキをつくれる子と競争する時間が好きでした。私とは全然違う折り方でヒコーキをつくるその子から、新しい見方と自分なりに工夫しつづけることを教えてもらった気がします。

なんて、少し大げさにかもしれませんが、新しいことを知ったり、いろいろな考えかたや人との出会いがあったり、見えている世界の枠を広げてくれるのが「学校」なのではないかと思います。

ご紹介する3冊は、「学校」という切り口から展開したプロジェクトの記録です。どのような気づきや学びがあったのか、人や考えかたとの出会いがあったのか。「学校」に行くことが難しい状況にある人も少なくないからこそ、それぞれの本に収録された「学校」をめぐる実践を読むなかで、新たな出会いにつながればと思います。(上地里佳)

▼世界を広げる「学校」につながる3冊
『やってみる、たちどまる、そして またはじめる 小金井アートフル・アクション!2009-2017活動記録』
『思考と技術と対話の学校」講義録』 ほか
『三宅島大学誌ー「三宅島大学」とは何だったのか』

あっついアジアをあるく

くわだてが先ではない。まずはやってみよう。テーブルを囲んで、ともに過ごすことから始めていこう。やりかたがないならつくればいい。その実践は具体的な誰かと手を携えながらも、確かにみずからが生きる「社会」を意識している。それが日本では可能だろうか。そもそも「日本」という思考の枠組み自体を問いなおす必要があるのではないか?

アジアをあるき、書き、語り合った、今回紹介する3冊を読むと、そんなことを考えます。いずれも2016年の本です。異なる記事に同じ人と場所が重なり合うように登場します。併せて読むことで(いろいろな意味で)熱いアジアを追体験できます。

「濃厚接触」ということばが飛び交う2020年の現在。改めて記録のなかで、あのときをあるきなおし、これからを考える、いいタイミングなのかなと思います。(佐藤李青)

▼あっついアジアを追体験できる3編
「Feature 01 コレクティブ・アジア」『ART BRIDGE 04』
『東南アジアリサーチ紀行―東南アジア9カ国・83カ所のアートスペースを巡る』(新装改訂版)
・「アジアを巡るオルタナティヴな実践――表現と拠点/コレクティヴの未来」『思考と技術と対話の学校 基礎プログラム1 [思考編]「思考を深める/想像を広げる」講義録 2016』


(撮影:ただ(ゆかい))


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