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アーツカウンシル東京ブログ

アーツカウンシル東京のスタッフや外部ライターなど様々な視点から、多様な事業を展開しているアーツカウンシル東京の姿をお届けします。

東京アートポイント計画通信

東京アートポイント計画は、地域社会を担うNPOとアートプロジェクトを共催することで、無数の「アートポイント」を生み出そうという取り組み。現場レポートやコラムをお届けします。

2024/04/24

活動を届けるために、かたちにする(2023年度の発行物のご案内)

アーツカウンシル東京が展開する「東京アートポイント計画」の各事業では、毎年さまざまなドキュメントやツールなどを発行しています。活動をまちに開きながら、時間をかけてじっくりと展開していくアートプロジェクトだからこそ、実践の中で見えてきたことや状況の変化を言葉にし、まとめることで、伝えられることがたくさんあります。

また、東京アートポイント計画の一環として実施している「Tokyo Art Research Lab(TARL)」では、アートプロジェクトの実践の中から生まれる現場の声をもとに、現場の課題やこれから必要な技術を見据えた手法やツールを研究・開発し、ウェブサイトを通じてその成果を広く社会に開いています。

それぞれの実践をどのように言葉にし、形にし、届けるのか。形にするということは、どのように社会に開いていくのかを考えることでもあります。2023年度もバラエティに富んだ、さまざまなものができました。
それぞれの発行物についてご紹介します。

※「東京アートポイント計画」および「TARL」にて発行されたドキュメントやツールの数は、この約15年の活動の中で300を超えました。その多くはTARLウェブサイト「資料室」ページからPDFデータをダウンロードできるほか、在庫のあるものは郵送でのお届けもしています(送料分着払い)。気になったものがあれば、ぜひ詳細をご覧ください。


その年度の発行物は、年度末にひとつに束ねた「WORDS BINDER」として全国のアートプロジェクトの事務局や研究者、実践者のみなさんにお送りしています。2023年度は、11冊の発行物を透明のシートで包み、テープを巻いてまとめました。さまざまな色や形をもった、個性豊かなドキュメントが入っていることを、外からでも見てとることができます。


■東京アートポイント計画のドキュメント



このフォーマットも4冊目。並べると、繋がりと積み重ねが見えてくるようです。

Artpoint Reports 2023→2024

東京アートポイント計画の仕組みや、共催している各プロジェクトの取り組みを伝えるとともに、一年を振り返りながら、ちょっと先の未来について語るアニュアルレポートです。今年度注目のニュースや各事業の紹介のほか、「拠点」「事務仕事」「文化の役割」などをテーマに、ディレクターとプログラムオフィサーがこの一年を振り返りながら語りました。2023年度の東京アートポイント計画全体の動きがこの一冊でわかります。

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ちいさな拠点のひらきかたを考える―藝とスタジオの歩み―

それまで当たり前だと思っていた考えを解きほぐす「対話」を生み出し、地域の文化資源の活用から「学びの場」を創出する『ファンタジア!ファンタジア!―生き方がかたちになったまち―(通称ファンファン)』。
活動拠点「藝とスタジオ」をオープンするなかで、より多くの人に対してどのようにひらくことができるのかを考え、実践した取り組みを、ZINEとしてまとめました。

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ラッコルタ –創造素材ラボ–

府中市の地元企業に不要な部材を提供していただき、それらを表現のための創造素材として再活用する仕組み「ラッコルタ –創造素材ラボ–」は、『Artist Collective Fuchu[ACF]』が実施してきたラーニングプロジェクトです。このパンフレットでは、ラッコルタで実施しているプログラムの内容や企業から提供されている素材など、ラッコルタの活動を知りたい、関わってみたいという方に向けて、取り組みを詳しく紹介しています。

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つくることを考えてみよう 森とであう

多摩の未来の地勢図 Cleaving Art Meeting』の「ざいしらべ 図工―技術と素材について考える」の一環として、多摩地域に広がる広葉樹の森をテーマに実施した連続授業をもとに制作した冊子です。広葉樹の丸太を用いた授業の様子や、広葉樹と暮らしのかかわりの解説、森と人の暮らしについての論考などを収録しています。暮らしとともにあった広葉樹について知り、環境や学びをあらためて考えるための一冊です。

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連続ワークショップ「多摩の未来の地勢図をともに描く2023」記録
re.* 生きることの表現

多摩地域の文化的、歴史的特性などをふまえ、参加者一人ひとりが、今自分が住んでいる足元を見つめ直し、現代の暮らしや社会課題に向き合うための方法を模索する連続ワークショップ「多摩の未来の地勢図をともに描く」。2023年度は「シャトー2F(二―エフ)」を作業場としてひらき、ゲストを招いたワークショップを行うほか、ワークショップ参加者による自主企画等も実施しました。この冊子では、3つのセクションで開催された連続ワークショップの記録のほか、ワークショップで触れたキーワードを深めるためのインタビューやトーク、「多摩の未来の地勢図をともに描く─あわいを歩く」(2022年)において実施されたワークショップの記録も掲載されています。

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A2サイズの大きな紙面を3つ折りにした、楽しい仕様です。

○ZINE -エンジン- ACKT02

アートやデザインの視点を取り入れた拠点づくりやプログラムを通じて、国立市や多摩地域にある潜在的な社会課題にアプローチするプロジェクト『ACKT(アクト/アートセンタークニタチ)』によるフリーペーパーの第二弾。「エンカウント・ザ・ワールド!!」をテーマに、日本各地のさまざまな実践への取材・レポート紹介を通じて、日々のエンカウント(出逢い)について紐解いています。

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ワークショップの形式を図化し、体制や流れをわかりやすく伝えています。

KINOミーティングアーカイブ2 04.2023—03.2024

海外に(も)ルーツをもつ人々とともに、都内各所で映像制作のワークショップを行うプロジェクト『KINOミーティング』のアーカイブブック。2023年度、新たに開発・実践されたワークショップの概要や手法をはじめ、参加者との対話や、スタッフによる振り返り、「海外に(も)ルーツをもつ」という枠組みと関連したテーマで活動している研究者と表現者へのインタビューなどが収録され、さまざまな視点でKINOミーティングの活動を紐解いています。日英併記で収録。

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昨年度発行した円形のレポートに重ねて束ねることができます。

めとてラボ 2023 ―活動レポート―

「わたしを起点に、新たな関わりの回路と表現を生み出す」ことをコンセプトに、視覚言語(日本の手話)で話すろう者・難聴者・CODA(ろう者の親をもつ聴者)が主体となり活動するプロジェクト『めとてラボ』の活動レポートです。遊びを起点にしたラボラトリーの実施、つなぐラボでの環境設計や開発など、さまざまに活動を広げたこの1年間のプロセスを、時系列にまとめています。

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■TARLで制作したツールやドキュメント

手話での会話の動きが伝わるようなレイアウト。

まず、話してみる。― コミュニケーションを更新する3つの実践

異なる視点を持つ他者と「ともにつくる」ことについて、また「わたしたち、それぞれの文化」について考えるための取り組みとして、アーツカウンシル東京が実施する「手話」や「ろう文化」、「視覚身体言語」に関わる3つの事例を取り上げ、それぞれの事業の概要や変遷、体制図、実践者による座談会を冊子としてまとめました。掲載テキスト「はじめに」「おわりに」と、座談会の内容は、手話通訳・字幕つきの映像としても公開しています。それぞれの事業の試行錯誤や、実施においての狙い、これからのビジョンにも触れられるものとなっています。

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イラストを多用し、視覚的に伝えています。

(からだ)と(わからなさ)を翻訳する
― だれもが文化でつながるサマーセッション2023「パフォーマンス×ラボ」の実験

東京都美術館で行われたクリエイティブ・ウェルビーイング・トーキョー「だれもが文化でつながるサマーセッション2023」の企画のひとつとして、東京アートポイント計画のプロジェクトである「めとてラボ」が、芸術作品を伝えるための情報保障について考える公開研究ラボ「パフォーマンス×ラボ」を実施しました。アーティストのパフォーマンス作品に対して、どのように情報保障をつけることができるのか、そのときの翻訳にはどのような可能性があるのか、現場での試行錯誤の様子や、交わされた議論、そこから得られた実感など、サマーセッションでの実践についてまとめています。

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左側からはウェブサイトの「つかい方」について、右側からはウェブサイトの「つくり方」を振り返ったコラムを読むことができます。

Tokyo Art Research Lab ウェブサイト コンセプトブック
つかい方と、つくり方

TARLウェブサイトのさまざまなコンテンツを多くの方に活用していただくために、そのつかい方や楽しみ方、さらにはウェブサイトの制作・運用にまつわるコラムを紹介するコンセプトブックです。ウェブサイトを制作するときの考え方やチームづくりについてもコラムで言及しており、これからウェブサイトを制作しようと考えている方にも参考になるものとなっています。

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■その他のツール

東京アートポイント計画 英語パンフレット

アーツカウンシル東京の事業「東京アートポイント計画」の活動内容をまとめた英語のパンフレットです。東京アートポイント計画英語ウェブページの内容をさらにブラッシュアップし、事業の仕組みや特徴、東京でアートプロジェクトを実施する意図や、これまでに共催した団体の声などを紹介しています。

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2023年度もバラエティに富んだラインアップとなりました。どのドキュメントも、自分たちの活動を紐解き、伝えるために設計し、制作しています。また、TARLで制作したドキュメントも、アートプロジェクトの実践の中で見えてきた課題をもとに、多くの方に活用いただくために制作し、公開しました。ぜひご活用いただけると嬉しいです。

■データでのダウンロードや、郵送での取り寄せが可能です。

「Tokyo Art Research Lab(TARL)」ウェブサイトの「資料室」から、資料詳細をご覧ください。気になるキーワードや関連資料から、過去の発行物を検索することも可能です。


写真:高岡弘


*東京アートポイント計画からのご案内

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