近年、障害者芸術に関する法整備が進むなど、アートが持つ包摂性に着目した活動への関心や需要が高まっています。その一方で、多くの実践現場では「社会包摂につながるアート活動」にどのように向き合うべきなのか、どうしたらより質の高い内容が実施できるのか、今なお模索しています。
そこで、東京文化会館では音楽やダンスなどのパフォーミングアーツに焦点をあてながら「社会包摂につながるアート活動」を実践する上で、理解しておきたい事柄を整理するためのレクチャーやスキルアップ・トレーニングを実施いたします。
本フォーラムでは、東京都美術館と連携し、社会包摂や高齢社会に精通した第一人者を迎え、この領域における現状や課題を整理するとともに、音楽やアートが社会に果たしうる役割や可能性を問い直します。
レクチャー#1 「社会包摂ことはじめ」
中村美亜(芸術社会学/九州大学大学院芸術工学研究院 准教授)
わかるようで、よくわからない「社会包摂」。アートや音楽の本源的な役割を見つめなおすことから、包摂的な社会を目指すときにこれらが果たしうる可能性について考えます。
レクチャー#2 「人生100年時代とアート/音楽」
日下菜穂子(高齢者心理学/同志社女子大学現代社会学部 教授)
目指すはワンダフルエイジング。高齢期を豊かに生きるために、アートや音楽の創造性と生きがいの関係について考えます。[東京文化会館の高齢者向け音楽ワークショップの事例紹介あり]
クロストーク「アート/音楽×高齢社会」
日下菜穂子、中村美亜
多元的共生社会の実現、そして生き生きとした人生を歩み続けるために、アートや音楽が担える社会的役割を考えます。
中村美亜(芸術社会学/九州大学大学院芸術工学研究院 准教授)
芸術活動が人や社会に変化をもたらすプロセスや仕組みに関する研究、その知見を生かした文化政策の研究を行っている。学術博士(東京藝術大学)。著書に『音楽をひらく―アート・ケア・文化のトリロジー』(水声社、2013年)など。東京藝術大学助教などを経て、2014年より現職。九州大学ソーシャルアートラボ副ラボ長。2019年3月に、文化庁と九州大学の共同研究の成果として『はじめての“社会包摂×文化芸術”ハンドブック』を刊行。
日下菜穂子(高齢者心理学/同志社女子大学現代社会学部 教授)
生きる意味を追求して人生を心豊かにする生き方を「ワンダフル・エイジング 」と定義し、シニアから若者まで多様な人が協働することで「個の自立」と「社会の中での共生」を促し、人生を豊かにする実践コミュニティに関する研究を行う。近年は、京都市や京田辺市と連携した高齢者のうつ・認知症を予防に関する実証研究や、高齢期のライフデザインの発達支援の検討も行う。『ワンダフル・エイジング―人生後半を豊かに生きるポジティブ心理学』(ナカニシヤ出版、2012 年)など著書多数。関西学院大学大学院文学研究科教育心理学専攻博士課程後期課程修了、博士(教育心理学)、臨床心理士、公認心理師。
アート/音楽関係者、アーティスト、文化行政関係者、教育/社会福祉関係者、学生、研究者など
聴講無料
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※未就学児の入場はご遠慮ください。
東京文化会館 事業係
TEL:03-3828-2111(代表)(平日10:00~17:00)
2019年10月22日(火・祝)14:00~16:00 (13:30受付開始)
東京都美術館 アートスタディルーム(東京都台東区上野公園8-36)