近年、障害者芸術に関する法整備が進むなど、アートが持つ包摂性に着目した活動への関心や需要が高まっています。
東京文化会館では、多様性のある共生社会の実現にむけて、より質の高いアート活動を展開できる機運醸成と課題提起を目指し、公開レクチャー&ディスカッションを開催いたします。各テーマに精通した第一人者や当事者を迎え、この領域における現状や課題を整理しながら、文化関係者がどのように向き合うべきなのか、どうしたらより質の高い活動が実施できるのか、模索していきます。
第1回は「音楽体験のアクセシビリティ」をテーマに、音楽をより豊かに享受するための方法を再検討します。
聴こえる人にとっては「音楽=聴く」と捉えがちですが、もし聴覚を介さずに音楽を楽しもうと思った場合、どのような方法があるのでしょうか。ろう者のアーティストとともに、そもそも音楽を感じるという行為はどのような身体行為なのか、どのような身体感覚を伴うのかを紐解きながら、音楽体験のアクセシビリティとは何かを考えます。
【手話通訳】
当日は手話通訳をご用意いたします。
第1部 聴こえ・聴覚障害に関するミニレクチャー(20分)
難聴や聴覚障害についての知見を深め、多様な音世界・音空間の在り方に気づきます。
第2部 当事者による音楽体験談(40分)
ろう者アーティストにご登壇いただき、聴覚障害や聴こえに不安がある人にとっての音楽がどういうものなのか、どのような身体行為、身体感覚として捉えているのか、お話しいただきます。どのようなアプローチであれば聴こえに関係なく共に楽しめるのか、音楽体験の在り方や世界観について再考しましょう。
第3部 公開ディスカッション(50分)
登壇者とZoom参加者を交えて、音楽があらゆる人に開かれた体験になるための可能性についてディスカッションします。
ろう者も聴者もみんなで楽しめる東京文化会館ミュージック・ワークショップ!
Sasa/Marie
サインポエット Sign Poet アーティストとして、手話による「てことば」や日本語で詩を紡ぐポエトリーリーディングを展開。代表作のひとつ「わたしのみみのなかには」がTokyo Poetry Journal vol.10に掲載された(Jordan A.Y Smith 訳)。身体と音楽の空間インスタレーションを通じて「詩」の世界を表現するユニット「でんちゅう組」この指とまれ担当。
河合メアリ
俳優(フリーランス)、ユニット『空色やかん』主宰。 手話・非言語表現ワークショップ講師、ろうの子ども向け演劇ワークショップ講師など2018年よりサインポエット(手話)と声の朗読などゆるやかに繋がり合うユニット「でんちゅう組」にも出演。
柿塚拓真(モデレーター)
相愛大学音楽学部卒業後、社会保険庁福岡社会保険事務局を経て大阪センチュリー交響楽団(現日本センチュリー交響楽団)事務局に入局。ブリティッシュ・カウンシル英国派遣プログラムや国際交流基金アジア・フェローシップを通じて、芸術団体と地域コミュニティの関わり方を考究する。クラシック音楽を介した就労支援事業 The Work やオーケストラと高齢者をつなぐ「お茶の間オーケストラ」などを手掛ける。現在、豊中市立文化芸術センター非常勤事業プロデューサー、堺アーツカウンシル PO。公益財団法人神戸市民文化振興財団事業部演奏課(神戸市室内管弦楽団/神戸市混声合唱団)演奏担当課長。
手話通訳:伊藤妙子、加藤裕子、瀬戸口裕子、吉田亜紀
音楽関係者、アーティスト、自治体・文化行政関係者、教育・社会福祉関係者、学生、研究者など
70名程度(事前申込制、先着順)
聴講無料
専用申込フォームよりお申込みください。
受付期間
2021年4月19日(月)~5月27日(木)5月29日(土) ※受付期間を延長いたしました。
Zoomミーティングによる参加枠は満席となりましたが、定員を上回る方からの応募がありましたため、より多くの方にご視聴いただけるようにYouTubeライブ配信も行います。
【注意事項】
※記録のための撮影および録画を行います。撮影した写真・動画は東京文化会館の報告書や広報物、SNS等で使用されます。予めご了承ください。
※やむを得ない事情により、内容が変更になる場合がございますので予めご了承ください。
東京文化会館 事業係
TEL:03-3828-2111(代表)