ACT取材ノート
東京都内各所でアーツカウンシル東京が展開する美術や音楽、演劇、伝統文化、地域アートプロジェクト、シンポジウムなど様々なプログラムのレポートをお届けします。
2017/12/21
緑あふれる東京の「村」に届いた、小さなコンサート
新宿から電車で1時間、さらにバスに揺られること30分。
2017年11月25日(土)、取材チームは多摩地域西部にある檜原村を訪れました。檜原村は、島しょ部を除いた東京都で唯一の村。緑があふれ、清流が流れるのどかな場所です。
今回レポートするのは、村にある「やすらぎの里」のホールで行われた「プレミアムコンサート」。このプログラムは、東京都交響楽団のメンバーが多摩地域と島しょ部に出向き、オーケストラ公演やアンサンブル公演を行うものです。檜原村では2011年から毎年開催され、恒例イベントとなっています。
開演前からにぎわう会場。中学生からお年寄りまで、村の人たちが集まりました。顔見知りの方も多いのか、いろいろなところであいさつが交わされ、おしゃべりに花が咲きます。
なごやかな雰囲気のなか、村長のあいさつからいよいよ公演がスタート。
坂本義次村長。蝶ネクタイがステキです!
今回は木管五重奏のアンサンブル公演。フルート、オーボエ、ホルン、ファゴット、クラリネットの奏者が華やかな衣装で登場しました。
まずはイベール作『3つの小品』などクラシック曲を披露。会場が美しい音色に包まれ、みんなうっとりと耳を傾けます。
途中で奏者による楽器の紹介も。各楽器の歴史や構造、音色の特徴などをわかりやすく教えてくれました。
続いてはスペシャルゲスト・坂本村長が登場! オカリナが趣味だそうで、この日のために練習してきた松任谷由実の『春よ、来い』を、都響のメンバーと一緒に演奏します。
村長が登場すると会場から大きな拍手が。オカリナを演奏するその姿を、観客が笑顔で見守っていたのが印象的でした。
こうして約1時間の公演が終了。客席からステージへ、温かい拍手が送られました。
演奏されたのは、クラシック曲からジブリの映画音楽、美空ひばりメドレーまで、幅広い曲が盛り込まれた贅沢なラインナップ! ふだん、都心のホールに出かけたり、音楽公演を体験したりする機会が少ない人にとってはとてもうれしい機会だったのではないでしょうか。
終演後は会場近くの豆腐屋さんに寄って、湯豆腐を堪能しました!
コンサートはもちろん、旅行気分で初めての檜原村散策を楽しんだ取材チーム。来場していた中学生たちと一緒に路線バスに乗り込み、村を後にしました。次の開催が楽しみです。
プレミアムコンサート~未来へのハーモニー~檜原村公演
- 日程:2017年11月25日(土) 14:00開演
- 会場:檜原村やすらぎの里
- 主催:東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
- イベントページ:https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/events/24482/
撮影:鈴木穣蔵
取材・文:平林理奈