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現場に行ってみた!! 宮本篇

東京文化発信プロジェクトが行う様々なプログラムにライターの宮本が出向き、現場からお伝えします。アート、音楽、舞台、地域プロジェクト etc… 文化は会議室ではなく、現場で生まれている!

2015/03/16

【Music Weeks in TOKYO 2014】 ピアニスト・仲道郁代さんによるワークショップ 「実験&実演でわかる!ピアノのしくみ、ホールの秘密」

日本を代表するピアニスト・仲道郁代さんによるワークショップ「実験&実演でわかる!ピアノのしくみ、ホールの秘密」が2月21日(土)東京文化会館小ホールで行われました。

このプログラムは、東京文化発信プロジェクトの一環として行われている、世界的音楽都市・東京でこそ可能な音楽文化の活性化、創造力の向上を目指し、「参加性」と「創造性」を柱として様々な事業を展開する音楽フェスティバル「Music Weeks in TOKYO 2014」のひとつ。普段から子供たちに音楽との幸せな出会いをしてほしいと全国各地の学校訪問などを積極的に行っている仲道さんを迎えて行いました。

会場となった東京文化会館小ホールは、設計時にはリサイタルや室内楽などのコンサートのほか、国際会議場としての利用も念頭に造られましたが、開館当初より、音響の良さに注目が集まっています。仲道さんが生でピアノのしくみやホールの秘密を教えてくれるということで、新しい音楽体験を心待ちにするたくさんの参加者が、開場前から列を作りました。

今回のプログラムは、3つの大きなテーマのもと実験と実演を交えながら進行しました。

1.ホールの響きとは ~再現!ピアニストがリハーサルで注文すること~
完全な状態でお客様をお迎えし、楽しんでいただくその状況を作るまで、ピアニストはたくさんの準備とリハーサルを重ねています。普段はめったに見ることのない、リハーサルの現場を仲道さんとピアノ調律師さんがステージ上で実際に再現していきます。

コンサートにおいて、ステージ上のどの場所にピアノを設置するか。これは心地よく音楽を響かせる上で、実はとても重要です。上手(かみて:舞台に向かって右側)、下手(しもて:舞台に向かって左側)、前方、後方、全ての場所へ実際にピアノを移動させ、音の響きを確認していくと、設置場所によって響きが変わってくることがよく分かります。


ピアノの設置場所を実際に移動して音を出してみます。

ステージの高さやピアノの脚を固定するキャスターの向きにも音の響きは左右されます。
ピアノは、繊細かつ幅広い表現を持つ楽器です。

ステージを彩るものとして照明も重要な役割を果たします。音楽を楽しむのに適した環境を作ることもプロの仕事。演奏者として不自由なく鍵盤がよく見えること、客席側全方位からの見え方など、細かく確認していきます。



仲道さん自身が客席側へでて入念にチェックを行います。聴衆がコンサートにぐっと入り込めるよう世界観を作りあげます。

2.ピアノのしくみにせまる! ~ ピアノを解体してみよう~
誰しも一度はピアノに触れたことがあるかと思います。しかし、ピアノを解体したことがある人は少ないのではないでしょうか。ピアノのしくみを知るべく、この時間は実際にピアノを解体してみることに。


鍵盤1鍵につき約50もの部品があり、約20の調整箇所が存在します。
これらを調整し、タッチ(弾き心地)を作っていきます。子供たちも興味津々!


ピアノはフェルトで作られたハンマーで弦を叩いて音を出します。ハンマーのフェルトや木は季節によって収縮するため、その時々にあった調整が必要になります。

ピアノは調律などがとても重要な機械的な楽器といえます。

3.演奏への工夫 ~ピアニストは何を求めて舞台に立つのか?~
ピアニストは演奏の際、様々な工夫をしています。ピアノの調律はもちろん、演奏するホールの構造や音の響きに合わせ、ペダルの使い方を変えて心地よい表現を追求します。

その時のピアノの状態、会場の構造、お客さんの数、気温、季節、全ての条件を踏まえた上でベストを尽くす。
「その瞬間にしか存在しないものこそがコンサート」だと、仲道さんは言いました。

プログラムの最後は、クロード・ドビュッシーのピアノ独奏曲「月の光」を演奏し、大盛況のうちに終了となりました。普段は垣間見ることの出来ない、ピアノやホールの裏側に触れ、コンサートの新たな楽しみ方を知ることが出来た、とても有意義なプログラムでした。

仲道さんは、後日2月27日(金)、Music Weeks in TOKYO 2014 プラチナ・シリーズ 第4回<ベートーヴェンとブラームスの真髄へ>の出演者として同会場でコンサートを実施。ヴァイオリニストの川久保賜紀さんと共に、満員の聴衆を前に素晴らしい演奏を聴かせてくださいました。

<本プログラム概要>
Music Weeks in TOKYO 2014 ミュージック・エデュケーション・プログラム<コラボレーション・プログラム>
仲道郁代ワークショップ 実験&実演でわかる!ピアノのしくみ、ホールの秘密
2015年2月21日(土)15:00開講 東京文化会館 小ホール
主催:東京都/東京文化会館・東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)
http://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/what-we-do/archive/2014/2724/

(Photo: ヒダキトモコ)

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