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現場に行ってみた!! 宮本篇

東京文化発信プロジェクトが行う様々なプログラムにライターの宮本が出向き、現場からお伝えします。アート、音楽、舞台、地域プロジェクト etc… 文化は会議室ではなく、現場で生まれている!

2014/12/08

【サウンド・ライブ・トーキョー】 「東京都初耳区」(ライブ・パフォーマンス / サウンド・インスタレーション)

東京文化発信プロジェクトがPARC – 国際舞台芸術交流センターと行う、音と音楽に関わる表現の可能性を探求するフェスティバル「サウンド・ライブ・トーキョー」。3回目を迎える今年は、渋谷のWWWと六本木のSuperDeluxeを舞台に、12月末までライブやサウンド・インスタレーションなど様々なプログラムが開催されています。
その中でも、新しいうねりや実験的試みがされたプログラム「東京都初耳区」が六本木のSuperDeluxeで行われるということで、現場に行ってきました!


Artwork by Tetsuya Nagato

「東京都初耳区」は、“まだまだ巡りあったことのない音と音楽に出会いたい”そんなキャッチフレーズの元、11月23日に「ライブ・パフォーマンス」、12月2日-4日に「サウンド・インスタレーション」がそれぞれ開催されました。
http://www.soundlivetokyo.com/2014/hatsumimi.html

■ 11月23日(日) 東京都初耳区 (ライブ・パフォーマンス)

新しい才能と豊かなキャリアを持つミュージシャンが一堂に会する熱い一夜。昨年9月に開催され好評を博したイベントが、1年の時を経て六本木に帰ってきました。東京都初耳区の出演アーティストは公募式。これまでのキャリア・音楽ジャンルを問わず全国各地から参加アーティストを募集。厳選な審査を通過した新進気鋭の4組と、実力派のゲストアーティストMerzbow × 中村達也、MURASAKI の2組がガチンコライブを繰り広げました。

トップバッターは、ゲストアーティストの「MURASAKI」。この日はサックス、ウッドベース2人、大鼓5人の8人編成。グルービーなサックスとベース音に、大鼓の弾けるような音と掛け声が混ざり合い、独特な世界観を生み出し、観客を魅了。ジャズと和が融合した1曲入魂でイベントの始まりを飾りました。

続いて、公募アーティスト1組目は、大阪在住、自称”働く表現家”「山本雅史」。ステージにはミキサーや謎の楽器が置かれた卓と椅子。そこへピンクのヘッドフォンをした山本さんが現れ、演奏スタート。その場で音を生み出し音源にのせ、音楽を創造していく。托鉢用の鉢にビー玉を入れてひたすらかき混ぜる、タイの楽器をかき鳴らし、最後はエレキギターで音を響かせる。何が起こるか分からない斬新な手法はまさにオリジナル。「体現」という言葉が適している、静と動が入り混じる新感覚のパフォーマンスでした。

公募アーティスト2組目は、岐阜県在住の女性ソロアーティスト「Plum」。この日はピアノ弾き語りスタイルで、カバー1曲を含めた全4曲を披露。 “宇宙人とお母さん””神社”などオリジナル曲のテーマは個性的。白のワンピースにカーディンガンを羽織り、終始客席に背を向け、誰かに語り掛けるように静か歌っていたかと思えば、立ち上がり感情を絞り出すように歌いあげるなど、本能の赴くまま音楽と向き合う姿が印象的でした。

公募アーティスト3組目は、エレキベースの即興演奏「野村洋祐」。ド頭から強烈なノイズ音を会場に響かせ、一気に自分の世界へ観客を引き込んでいく。ベースを浮遊させ、会場を歩き回りノイズを生み出す。ベースのネックを持ち、ステージ全体をのたうち回る。彼が動けば動くほど新たな音が生み出され、残響となり会場に轟いていく。無数の波が押し寄せ、音の世界にのまれてしまうような求心力のあるパフォーマンスでした。

公募アーティスト4組目は、東京都出身、91年生まれの「Miho Maruyama」。卓の上にノートパソコンを置いて音を奏でるラップトップスタイルで、エレクトロミュージックを奏でます。ゆったりとしたビートにリズムやノイズが絡み合い、心地よい音楽が会場を包みこむ。音を聞いているはずなのに、映画でも見ているかのように目の前に映像が浮かび上がるような、創造性を掻き立てられる音世界。静かに体を揺らしながら音を生み出す彼女の姿が印象的でした。

イベントのトリを飾るのはゲストアーティスト「Merzbow × 中村達也」
Merzbowのノイズと中村さんの全身全霊の激しいドラムプレイが相まって、音のエネルギーが何倍にもなって会場に響き渡たる。息をするのも忘れてしまうぐらい圧倒的な演奏と存在感を魅せつけられた30分でした。

初耳で初見なライブパフォーマンスに溢れた衝撃の3時間半。新たな歴史が刻まれた夜となりました。

● 12月2日-4日 東京都初耳区 (サウンド・インスタレーション)

新たな音楽体験を体感する「サウンド・インスタレーション」。通常はワンフロアの空間を、ラウンジ空間と体験空間に区切りレイアウト。体験空間内に設置されたマルチスピーカーを、それぞれのアーティストが自身の表現に適したスピーカーをセレクトし、独自の音響空間を作り上げ、作品をより立体的に聴く人に届けます。

参加アーティストはエレクトロニクス・ミュージシャンを中心とした9組。約2時間半かけて、9アーティストの作品をじっくり味わいます。会場内には、ソファや椅子が置かれ、観客は思い思いの場所、体勢で音に耳を傾けます。

目を閉じてじっと耳を澄ます人、だらんと寝そべり空間に身をゆだねる人、スマホをいじり日常の行動と共に音を絡ませる人。それぞれの感覚と方法で音楽と向き合う、贅沢な音楽空間。ライブともヘッドフォンで聞くこととも違う、新感覚の音楽体験が広がる、贅沢な時間を味わうことができました。

(参加アーティスト) 畠山地平 / NOEL-KIT / 柴山拓郎 / ジム・オルーク / 吉原太郎 / 町田良夫 / クリストフ・シャルル / CoH / カール・ストーン

11月にスタートした、音と音楽に関わる表現の可能性を探求するフェスティバル「サウンド・ライブ・トーキョー」もいよいよ終盤。記念すべきフェスティバルのラストを飾るのは、12月27日 (土)、28日 (日)六本木SuperDeluxeで行われる「Antigone Dead People ― Small Wooden Shoe + dracom」。チケット好評発売中。ぜひこの機会に体感ください。
http://www.soundlivetokyo.com/index.html

( Photo by Hideto Maezawa)

■サウンド・ライブ・トーキョー
東京都初耳区(ライブ・パフォーマンス) @ SuperDeluxe
2014年11月23日(日) 18:30
出演アーティスト:Merzbow × 中村達也、MURASAKI、山本雅史、Plum、野村洋祐、Miho Maruyama
東京都初耳区(サウンド・インスタレーション) @ SuperDeluxe
2014年12月2日(火)、3日(水)、4日(木) 14:00〜22:00
(参加アーティスト) 畠山地平 / NOEL-KIT / 柴山拓郎 / ジム・オルーク / 吉原太郎 / 町田良夫 / クリストフ・シャルル / CoH / カール・ストーン
<企画・制作> SuperDeluxe
<主催>東京都、東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)、PARC – 国際舞台芸術交流センター

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