ライブラリー

アーツカウンシル東京ブログ

アーツカウンシル東京のスタッフや外部ライターなど様々な視点から、多様な事業を展開しているアーツカウンシル東京の姿をお届けします。

東京アートポイント計画通信

東京アートポイント計画は、地域社会を担うNPOとアートプロジェクトを共催することで、無数の「アートポイント」を生み出そうという取り組み。現場レポートやコラムをお届けします。

2023/04/25

それぞれの言葉を形にして届ける。(2022年度の発行物のご紹介)

アーツカウンシル東京が展開する「東京アートポイント計画」、「Tokyo Art Research Lab(TARL)」の各事業では、毎年さまざまなドキュメントやツールなどを発行しています。それらの発行物は、基本的には毎年度末に全国のアートプロジェクトの事務局や研究者、実践者のみなさんにお送りしています(2022年度は、一部を8月にお送りしました)。

東京アートポイント計画」では、東京都内で活動するさまざまなNPOとアートプロジェクトを行っていますが、各プロジェクトの活動を通じて見えてきたことや、状況の変化や成果を伝えるためには、どのような形が良いのか。プロジェクトの記録としてはもちろん、手にとった人にどのように活用してもらえるのか、そのために必要な形を考えながらドキュメントを制作しています。

また、「Tokyo Art Research Lab(TARL)」では、アートプロジェクトの担い手のためのプラットフォームとして、現場の課題やこれから必要な技術について考える研究・開発を行い、その成果を、多くの方に共有できるツールとしてまとめています。

2022年度もバラエティに富んだ、さまざまなドキュメントができました。それらを束ねたボックスは、各ドキュメントから抜き出した言葉をボール紙に印刷したシンプルなものに。たくさんの言葉を形にし、束ねた、WORDS BINDERです。

▲各発行物から抜き出した言葉をデザインしたパッケージ。

▲発行物がすっぽりとおさまる仕様。箱の内側にも言葉が配置されている。

夏に発行したものも含め、2022年度の刊行物についてご紹介します。
これらの成果物は、「Tokyo Art Research Lab(TARL)」ウェブサイト「資料室」ページでPDFデータがダウンロードできるほか、在庫のあるものは郵送でのお届けもしています(送料分着払い)。気になったものがあれば、ぜひ詳細をご覧ください。


■東京アートポイント計画のドキュメント

2020年度からの3冊を並べると、繋がりと蓄積が見えてくる。

Artpoint Reports 2022→2023

東京アートポイント計画の仕組みをわかりやすく紹介するとともに、一年を振り返りながらちょっと先にある未来について語るアニュアルレポートです。ウィズ・コロナにシフトしつつある社会の変化に応答した、2022年度の取り組みについて、ディレクターとプログラムオフィサーが語りました。

詳細はこちら


▲チラシや写真など、さまざまなサイズの記録が挟み込まれている。

HAPPY TURN CHRONICLE

東京都神津島村を舞台にしたアートプロジェクト『HAPPY TURN/神津島』の変遷を、5年間(2018年~2022年)の年表と、チラシや図面など、さまざまなサイズの印刷物や記録写真、そして活動の裏側やこぼれ話を集めた“当事者”年表によってまとめました。大きなリングファイルにまとめているので、これから起こる出来事の資料を挟んだり、手に取った方が島を訪れ、自分との関わりのページを作ったりと、自由に追加することができます。このファイルを手に、ぜひ神津島との関わりを見つけてください。

詳細はこちら 

ファンタジア!ファンタジア!ー生き方がかたちになったまちーとは

2000年代初頭の住民主導のアートプロジェックトをきっかけに、現在も多くのアーティストが暮らす墨田区北東部(通称:「墨東エリア」)を舞台に、地域の人々がアーティストや研究者との出会いを通じて、豊かに生きるための創造力を育む「学びの場」を生み出すプロジェクト、「ファンタジア!ファンタジア!ー生き方がかたちになったまちー(通称ファンファン)」。つくることを楽しむための拠点「藝とスタジオ」や、これまでに開発してきたコミュニケーションプログラムなど、ファンファンの取り組みが一目でわかる、紹介パンフレットです。

詳細はこちら 

○ZINE -エンジン- Vol.01

アートやデザインの視点を取り入れた拠点づくりやプログラムを通じて、国立市や多摩地域にある潜在的な社会課題にアプローチするプロジェクト『ACKT(アクト/アートセンタークニタチ)』によるフリーペーパーです。第一号では、「文教都市・くにたち」をテーマに、古来より先人の知恵を継いできた谷保・青柳や、理想の学問を求め拓かれた国立駅周辺など、さまざまな教育が息づいている地域の活動を取材し、紐解き、編み直しています。

詳細はこちら

わたしの気になること 「多摩の未来の地勢図をともに描く」ワークショップ記録 レクチャー編/フィールドワーク編

多摩地域を舞台に、地域の文化的、歴史的特性をふまえつつ、さまざまな人々が協働するネットワークの基盤づくりを進める『多摩の未来の地勢図 Cleaving Art Meeting』。その活動の一環として2021年度に開催した連続ワークショップの記録集です。

詳細はこちら 

つくることを考えてみよう 竹編

多摩の未来の地勢図 Cleaving Art Meeting』のプログラム、「ざいしらべ 図工 ― 技術と素材について考える」の一環として、多摩地域の小学校図工専科の先生や子どもたちと実施した活動をもとに、身近な素材を知り、加工や造形をして楽しむ方法を紹介する冊子です。古くから人の暮らしの身近に存在してきた「竹」をテーマに、竹に関する知識や歴史、伐り方、加工の仕方、扱い方の事例や道具についてなど、読む人が参考にできるよう、イラストつきで幅広く紹介しています。

詳細はこちら 

KINOミーティングアーカイブ1 04.2022—03.2023

海外に(も)ルーツをもつ人々とともに、都内各所で映像制作のワークショップを行うプロジェクト『KINOミーティング』の、2022年度の活動をまとめました。前半は、KINOミーティングが活動を通して目指していることや、ワークショップを設計するなかで生まれた3つの映像制作の手法などを中心に紹介。後半では、これまでの活動の振り返りと、それをもとにした今後の展開についても知ることができます。全編日英併記です。

詳細はこちら 


▲リングを外して広げることができる。

めとてラボ 2022 ―活動レポート―

「わたしを起点に、新たな関わりの回路と表現を生み出す」ことをコンセプトに、視覚言語(日本の手話)で話すろう者・難聴者・CODA(ろう者の親をもつ聴者)が主体となり活動するプロジェクト『めとてラボ』の活動レポートです。丸いカードの一枚一枚に、めとてラボの活動を表すキーワードや、活動報告のnote記事へのリンク(QRコード)がついています。活動の広がりを、カードを広げることで体感してください。

詳細はこちら 

■TARLで制作したツールやドキュメント

アセンブル1 Multicultural Film Making ―ルーツが異なる他者と映画をつくる Multicultural Film Making Archives

2021年度に開催した「アセンブル1|Multicultural Film Making ルーツが異なる他者と映画をつくる」の活動プロセスをまとめた冊子です。このプロジェクトでは、さまざまなルーツをもつ人々が協働し、東京のまちを舞台に1本の映画をつくることを試みました。活動を記録したレポートや、移民や多文化を専門とした研究者による論考、運営にかかわったスタッフの座談会などを日英併記で収録しています。

詳細はこちら

アートプロジェクトのためのウェブサイト制作 コ・クリエイションの手引き

「ウェブサイトは必要か?」という問いを、ディレクター、デザイナー、エンジニアなど、多様なフィールドで活躍する10名のメンバーと議論した「東京プロジェクトスタディ これからのウェブサイトについて考える」をきっかけに制作された、ウェブサイト制作のための手引書です。一連のプロセスや、それぞれの段階で押さえておくべき課題、チームで制作に取り組むためのポイントをまとめています。これからウェブサイトをと考えている人必携の一冊。

詳細はこちら 

TARLで実施した、ウェブサイトにまつわるさまざまな取り組みについては、こちらの記事にまとまっています。ぜひ、併せてご覧ください。
これからのウェブサイト制作に向き合うために――Tokyo Art Research Labが取り組むウェブサイト関連企画の紹介

DOCUMENT302 アートプロジェクトの担い手たちのラボ ROOM302の記録 2009-2022

東京都千代田区のアートセンター・アーツ千代田3331にあった活動拠点「ROOM302」。アーツカウンシル東京が運営し、イベントやレクチャー、展覧会、アーカイブ、打ち合わせ、あるいはさまざまな実験的な活動の舞台となったこの部屋は、2023年3月、アーツ千代田3331との契約終了に伴い閉室しました。この本では、14年にわたる「ROOM302」のありようを、たくさんの写真や、各年度の出来事をまとめたテキスト、この場所にゆかりのある人々からの寄稿によって辿ります。

詳細はこちら 


▲紙上で会話型鑑賞ができるよう、図版が2種掲載されている。

しゃべりながら観る

全盲の美術鑑賞者・白鳥建二さんと、アートエデュケーターの佐藤麻衣子さんによる、会話を中心とした美術鑑賞の方法を「会話型美術鑑賞(しゃべりながら観る)」と名付け、紹介した冊子です。二人のこれまでの活動や、作品を介して時間と場を共有しながらコミュニケーションをとることの面白さを紹介しています。実際に会話型美術鑑賞を行うときのコツや、紙上鑑賞会のための図版も掲載しています。

詳細はこちら 

■PDFデータで配布中のドキュメントも

▲画像は2021年度に発行した書籍版。

Serendipity in Japanese Art Projects: 11 Years of Memorial Rebirth Senju by Shinji Ohmaki Our project story, participant voices, and project evaluations

2021年度に制作した書籍『アートプロジェクトがつむぐ縁のはなし 大巻伸嗣「Memorial Rebirth 千住」の11年』を英訳しました。足立区千住での『アートアクセスあだち 音まち千住の縁』の一環として、2012年より毎年場所を変えながら、リレーのバトンのように次に手渡され、展開してきた現代美術家・大巻伸嗣の「Memorial Rebirth 千住」(通称:メモリバ)。その約10年を、絵物語や事業にかかわってきた人の声、多様な評価分析の手法で紐解いた書籍です。ウェブサイトよりPDFデータをダウンロードできます。

詳細はこちら 


東京アートポイント計画の各プロジェクトの特徴を反映させたドキュメントや、TARLで開発されたツールとしての冊子など、2022年度もバラエティに富んだラインアップとなりました。たくさんの方にご活用いただけると嬉しいです。

■データでのダウンロードや郵送でのご入手が可能です。

「Tokyo Art Research Lab(TARL)」ウェブサイトの「資料室」から、資料詳細をご覧ください。気になるキーワードや関連資料から、過去の発行物を検索することも可能です。


写真:高岡弘


*東京アートポイント計画からのご案内

東京アートポイント計画について
公式Facebookページで最新情報をお届けしています
公式noteアカウントでアートプロジェクトの現場の試行錯誤をつづっています
月刊メールニュース登録はこちらから

最近の更新記事

月別アーカイブ

2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012