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アーツカウンシル東京ブログ

アーツカウンシル東京のスタッフや外部ライターなど様々な視点から、多様な事業を展開しているアーツカウンシル東京の姿をお届けします。

F/T15 special

フェスティバル/トーキョー(F/T)ディレクターズコミッティのメンバーで、ドラマトゥルクの横堀応彦が、今年のF/Tの見どころを独自の視点でお伝えする限定ブログ。

2015/11/05

いま、ここでしか出合えない! 必見の海外演目たち

今年の「フェスティバル/トーキョー(F/T)」がついに開幕しました!

池袋西口公園で開催された『フェスティバルFUKUSHIMA!@池袋西口公園』では多くの方がライブと盆踊りにご参加くださり、にしすがも創造舎で上演された『真夏の夜の夢』も連日大入りの大盛況! いよいよメインプログラムが集結した期間へと突入していきます。

フェスティバルFUKUSHIMA!@池袋西口公園

それまで全く知らなかった面白いものと《出合う》チャンスが溢れているのがフェスティバルの最大の魅力…と前回のブログで書きましたが、今年のF/Tでは《いまを逃すと日本では2度と観られないかもしれない》必見の海外演目が上演されます。

その1つ目は、11月13日(金)から15日(日)にかけてアサヒ・アートスクエアで上演される『ラウンドアバウト・イン・ヤンゴン』です。(F/Tの演目の多くは池袋付近で上演されますが、アサヒ・アートスクエアは最寄駅が浅草なのでご注意ください!)

F/Tでは昨年から「アジアシリーズ」を立ち上げて(国際交流基金アジアセンターとの共催)、毎年アジアの1か国に焦点を当てたプログラムを実施しています。昨年の韓国特集に続き、今年F/Tが焦点を当てたのはミャンマー。複数のスタッフが数度にわたってミャンマーを訪れ、自らの目と足でリサーチした結果3組のアーティストによるラウンドアバウト・プログラムが開催されることになりました。Aプログラムではティーモーナインによる映像作品とニャンリンテッによる演劇作品が、Bプログラムではターソーによる音楽ライブが上演されます。特にターソーの音楽ライブは、予告映像を見ただけで期待が高まります!(F/T公式ウェブサイトではターソーのインタビューも掲載しています。)

また11月18日(水)から23日(月・祝)にかけて東京芸術劇場アトリエイーストで開催されるミャンマー映画特集も見逃せません!

そして《これを観ずして、これからの演劇は語れない!》ほど度肝を抜くインパクトを与えてくれるのは、今年のF/Tメインプログラムである『地上に広がる大空(ウェンディ・シンドローム)』です。作品の台本・演出・舞台美術そして衣裳を手がけるアンジェリカ・リデルはこんな人。

アンジェリカ・リデル
(C)前澤秀登

一見とても優しそうな女性ですが(そして実際に話すととても優しい方なのですが)、舞台に立った瞬間にその性格は急変し、あたかも全くの別人のようになってしまいます。

アンジェリカ・リデル(C)Ricardo Carrillo de Albornoz
(C)Ricardo Carrillo de Albornoz

今回F/T15ではアンジェリカ・リデルの作品の中で国際的に最も評価の高い『地上に広がる大空(ウェンディ・シンドローム)』が上演されます。上演時間は2時間40分(休憩なし)とやや長いですが、そのうち後半半分を占めるのはリデル本人が演じるウェンディ(『ピーターパン』に出てくるヒロイン)による怒濤のモノローグです。このモノローグについて、リデルは次のように語っています。

わたしは毎公演、モノローグで、自分のなかにあるもっとも忌まわしいものを吐き出そうとしています。心のなかにある糞を吐き出そうとしているんです。(以下略)

※演劇ジャーナリスト岩城京子さんによるインタビュー全文はF/T公式ウェブサイトで掲載しています。

私自身がこの作品を最初に観たのは、かれこれ1年以上昔のことですが、その時に感じたことは上演時間の長さよりも、永遠と繰り返されるリデルによるモノローグが持つ《見えないチカラ》のようなものでした。その《チカラ》はあまりに強大なものすぎて、終わった後もしばらく呆気にとられたような感覚が続き、それが一体何だったのかしばらく分からないままでいましたが、今から思い返せば確かにそれは《忌まわしいもの》や《心の中の糞》であったようにも思えます。(その時の衝撃はあまりに強く、海外の演劇祭を訪ね歩いていた時期なのに「しばらく他の演劇は何も観なくていい…」と思ってしまったほどでした。)

なお作品の前半では、音楽の都ウィーンで活動する現代音楽グループPHACE(フェイス)による生演奏もあり、音楽ファンの方にも必見の内容となっています。(その演奏の一部は予告映像でもお聴きいただけます。)

『地上に広がる大空(ウェンディ・シンドローム)』は11月21日(土)から23日(月・祝)まで東京芸術劇場プレイハウスで上演されます。『ラウンドアバウト・イン・ヤンゴン』や他の作品とあわせて、全く知らなかったものとの《出合い》を見つけにきてください!


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