2020年、私たちはこれまでの当たり前が揺らぐ時間を過ごしてきました。リモートでのやりとりの普及や移動の制限から働きかたや住んでいるまちでの暮らしかたが変わった人も少なくないのではないでしょうか。そうした変化のなかで、これまで以上に異なる視点や多様な価値観と出会うことが減りつつあるようにも思えます。「こうでなければならない」という考えかたを柔らかくしながら、自らの暮らしをどう豊かにしていくかを考えていくことが大切なのではないでしょうか。
第3回となるディスカッションでは、「間=あわい」をコンセプトに視点や視野を広げることを試み、まちにひらいたギャラリーを運営するawai art center(長野県松本市)代表の茂原奈保子さん、ドイツ・ライプツィヒにて空き家だった場所に交流拠点「日本の家」を立ち上げ、都市の「隙間」から生まれる人々のうごめきについて研究・実践を行う大谷悠さんをゲストにお招きします。
お二人が試みてきた、さまざまな価値観や見方が同居する場を立ち上げるプロセスや運営のありようは、これからのアクションを考える手がかりになるように思います。それぞれのまちでどのような考えをもって、場を立ち上げ、何に気づいたのか。そして、この状況下で、これからどんな一歩を踏み出そうとしているのか伺います。
大谷悠(まちづくり活動家・博士(環境学)/尾道「迷宮堂」共同創設者・ライプツィヒ「日本の家」共同創設者)
1984年東京生まれ。2010年単身渡独、2011年ライプツィヒの空き家にて仲間とともにNPO「日本の家」を立ち上げ、以来日独で数々のまちづくり・アートプロジェクトに携わる。2019年東京大学新領域創成科学研究科博士後期課程修了。同年秋から尾道に在住、「迷宮堂」共同代表として空き家に住みながら改修し、国籍も文化も世代も超えた人々の関わり合いの場にしようと活動中。2020年4月より尾道市立大学非常勤講師。ポスト高度成長とグローバリゼーションの時代に、人々が都市で楽しく豊かに暮らす方法を、欧州と日本で研究・実践している。
主な著書に『都市の〈隙間〉からまちをつくろう』(単著、学芸出版、2020)『CREATIVE LOCAL-エリアリノベーション海外編』(共著、学芸出版社、2017)、映像作品に『40㎡のフリースペース-ライプツィヒ「日本の家」2015-2017』(2018)など
茂原奈保子(awai art center主宰)
1987年長野県生まれ、同地在住。都内の美術館、ギャラリーでの勤務を経て2016年に長野県松本市に個人運営のアートセンターを設立。ひらかれたアートの在り方に関心をもち、同センターにて不定期に企画展を開催している。また、吉原芸術大サービス(2014-2015年, 東京)、第13回まつしろ現代美術フェスティバル(2014年, 長野)など複数の芸術祭事務局にも参加しており、あいちトリエンナーレ2019(2019年, 愛知)ではアシスタント・キュレーターを務める。
モデレーター:上地里佳(アーツカウンシル東京プログラムオフィサー)
アートプロジェクトにこれから関わりたいと思っている方、新たなプロジェクトのためのヒントを得たいと思っている方
無料(事前申込不要)※通信料はご負担ください。
Tokyo Art Research LabのYouTubeチャンネルにて配信いたします。
※内容は変更になる場合があります。
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
事業推進室事業調整課事業調整係
TEL:03-6256-8435(平日10:00~18:00)
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