ACT取材ノート
東京都内各所でアーツカウンシル東京が展開する美術や音楽、演劇、伝統文化、地域アートプロジェクト、シンポジウムなど様々なプログラムのレポートをお届けします。
2019/12/02
大手町で郷土芸能を披露。都民パフォーマーが魅せた「第6回トパコ」
2019年11月14日(木)、ビジネスの中心地・大手町駅直結のOOTEMORIで「第6回トパコ(都民パフォーマーズコーナー)」が開催されました。
「トパコ」とは、民間企業の自社ビルや施設などを舞台に、さまざまなジャンルの都民パフォーマーが日頃の文化活動を発表するイベント。
オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けて、文化を通して東京を盛り上げていく取り組みのひとつです。
今回は、企業合同物産展「東京JAPAN市2019 東北・九州復興編」と連携しての開催。
都内で活動する3組の団体が、東北の郷土芸能を披露しました。
パフォーマンスは、OOTEMORIの広場につくられた特設スペースを舞台に行われました。
隣の物産展もにぎわうなか、最初に登場したのは小名浜じゃんがら踊友会東京支部。東京在住の小名浜出身者が中心となって活動している団体です。
「じゃんがら念仏踊り」は、福島県いわき市周辺の地域に伝わる郷土芸能です。
お盆の時期に新盆を迎えた家々をまわって太鼓や鉦(かね)を打ち鳴らしながら歌い踊り、亡くなった人を供養します。
息の合ったパフォーマンスは圧巻のひと言。
駅へと続く地下通路にも音が響きわたり、会社帰りの人たちが思わず足を止めていました。
続いては、西馬音内盆踊り首都圏踊り子会・西馬音内盆踊り愛好会のみなさん。
「西馬音内(にしもない)盆踊り」は、秋田県南部にある羽後町の西馬音内地域に700年以上前から伝わる国指定重要無形民俗文化財の盆踊りです。
今回は首都圏の団体とともに、地元の愛好会も特別に参加しました。
笠や頭巾で顔を隠し、藍染めや端縫(はぬ)いの衣装に身を包んだ踊り子たち。
お囃子に合わせてゆったりと踊るその姿は幻想的で、場の空気を染めていきました。
ラストを飾るのは、慶應義塾大学公認サークル「津軽三味線集団 弦音巴(おとは)」のメンバー。
津軽三味線は、明治時代に盲目の旅芸人たちが津軽地方一帯を門付けして歩いた「坊さま三味線」がルーツとされています。独特のハリのある音色が美しく、現在は独奏によるダイナミックな演奏も人気の伝統音楽です。
「弦音巴」は昨年、弘前で開催された津軽三味線の世界大会の合奏部門で準優勝し、現在は世界一を目指している実力派の団体。
民謡の「さくら さくら」からオリジナルの現代曲まで、幅広い表現で観客を魅了します。
イベントは大盛況のうちに終了。
迫力あるパフォーマンスに、気がつけば大きな人だかりができていました。
次回の「第7回トパコ」は2019年12月7日(土)、お台場にある体験型テーマパークMEGA WEBで開催予定です。バトントワリングやキッズダンス、ゴスペルなど、バラエティに富んだ6組のパフォーマンスが見られるので、ぜひ足を運んでみてください。
第6回トパコ(都民パフォーマーズコーナー)
- 日程:2019年11月14日(木)17:00 – 18:00
- 会場:OOTEMORI 地下2階(みずほフィナンシャルグループ本社)
- 主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
- イベントページ:https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/events/39577/
撮影:鈴木穣蔵
取材・文:平林理奈