アーツカウンシル東京が主催・共催するイベント情報

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東京プロジェクトスタディ1|わたしの、あなたの、関わりをほぐす

ジャンル:
  • アートプロジェクト ,
  • 講座・シンポジウム

~共在・共創する新たな身体と思考を拓く~

オンライン/オフラインでのコミュニケーションが私たちの新しい日常として定着しつつある現在、様々な背景を持つ他者同士がコミュニケーションをはかり、新たな経験や関わりを生み出そうとするアートプロジェクトの在り方も変容・更新が続いています。
画面越しの会話のリズムや間合いのズレ、場づくりの難しさ、何を共に経験したのかという実感への問い、そして言語体系や認識世界の異なる人々との情報保障の在り方やアートプロジェクトのアクセシビリティなど。これまで培ってきた手法だけでは更新できない新たな課題や気づきを体感し、改めて、他者との関係性やコミュニケーションについて考えを巡らせている人も少なくないはずです。

社会的、文化的、身体的にも異なる他者が出会い、お互いの差異を認め、それぞれ固有の感覚を大切にしながらもお互いに歩み寄ろうとするひたむきな姿勢と技術が、今こそ求められているのではないか。その課題意識から、昨年は、異なる他者の間に立ってコミュニケーションを育む通訳・翻訳者の身体知に着目し、視覚身体言語(手話)と音声書記言語(日本語)のコミュニケーションに関する研究・開発に取り組みました。
私たちは日々、“自分”の意志を相手に伝えるだけではなく、ときには誰かの想いを翻訳し代弁者となることもあります。そう考えると、誰もが誰かの翻訳者であるともいえるでしょう。しかし、そうした意思伝達、翻訳、解釈の狭間には、常に誤解や誤読が介在し「わかりあえなさ」が存在します。
どうすれば自分が感じたままをそのままに伝えることができるのか。また反対に相手の想いをどうすればそのままに受け取ることができるのか。「わかりあえなさ」を受け入れながらも、伝えあいの間に立ち現れるこの「伝わらないことへのもどかしさ」に、新たなコミュニケーションの回路を拓くヒントが詰まっていると思うのです。

本スタディでは、誰もが誰かの翻訳者であることを前提としながら、自分と異なる認識世界を持つ他者と共在・共創するコミュニケーションについて再考します。身体性や感覚が異なる者同士が意思を伝えあおうとして生まれた視覚身体言語(手話)、感覚をつなぐ伝達方法としての触手話、点字や手書き文字、音声ガイドなどの多様なコミュニケーションを起点に、一人ひとりの身体と記憶、ことばと感覚にまつわるディスカッションやワークショップ、リサーチを重ねます。その経験を通して、参加者自身が自分の感覚を掴みながら、異なる感覚を持つ他者とのコミュニケーションを促進・拡張させる新たなメディアや手法を発明することに取り組みます。

※新たなメディアや手法について
美術、映画、音楽、演劇、建築、空間、詩、料理、付箋、チャット、粘土、石、遊び、専門的な通訳者、タイムテーブル、マネジメント技術や仕組みづくりなど、メディアの表現形態・専門は問いません。

活動キーワード

・ディスカッション
・ワークショップ
・ゲストトーク
・リサーチ
・メディア設計/デザイン
・翻訳・解釈
・他者
・環世界
・コミュニケーション

対象

・身体と記憶、感覚とことば、身体とコミュニケーションというテーマに興味があり、関連する企画に取り組もうとしている人
・身体や言語が異なる他者とのコミュニケーションについて、新しい手法を開発したい人
・様々な人々や物事の間に立ち、調整・翻訳者的な立場での関わりに興味・関心がある人
・自分の経験を他者が体験可能なメディアを立ち上げて形にすることに興味がある人
・異なる考えや価値観を尊重しながら活動できる人
・素敵な偶然をよく引き寄せてしまう人

※美術、映画、音楽、演劇、建築、空間、詩、料理など、メディアの表現形態・専門は問いません。

進め方

・メンバー全員での定例ディスカッション会を月1~2回開催します。
・各回のディスカッションの後に、自身の考えや問いを整理し、思考の変遷を記録するために作文(エッセイ、日記など)を書きます。
・様々な感覚で世界を捉えている方をゲストにお呼びして、8月~11月にかけてワークショップ(講義、身体をつかったワークショップ、ディスカッション、メディア試作・実験等)をおこないます。
・11月~12月頃には、デザイン、建築、造形、通訳といったメディア制作の技術を持つ方々をゲストにお呼びして、様々なメディアの特性を学び、新たなコミュニケーション手法の開発(メディアの開発)のヒントを探ります。
・スタディが進む中で必要に応じてリサーチ・フィールドワークを実施することがあります。
・1月~2月はナビゲーター、スタディメンバーと共に、スタディを通して思考したことや実践したことを自分なりの表現・方法で形にし、コミュニケーションメディアの企画・開発を進めます。
・3月に発表(企画・試作の共有)をおこないます。
・ROOM302(3331 Arts Chiyoda内)及びオンラインで実施します。スタディメンバーは、ROOM302にて自主活動をおこなうことができます(要事前予約)。

※希望に応じて、手話通訳や文字情報支援などの情報保障があります。
※コミュニケーションメディアの企画・開発では、必要に応じて制作サポートがあります。
※新型コロナウイルス感染症対策をおこない、安心・安全の運営体制で実施します。ただし、新型コロナウイルス感染拡大の状況によっては、ROOM302で実施予定の内容を変更してオンラインで実施する場合があります。

定員

10名程度
※書類選考・面接があります。

参加費

一般24,000円、学生16,000円/約8ヶ月
※フィールドワーク等の交通費、飲食費は別途実費となります。

活動日

8月18日(水)20:00~21:30(オンライン)|第1回 ガイダンス/自己紹介
8月22日(日)10:00~12:00(ROOM302ほか)|第2回-1 ゲストワークショップ
8月29日(日)10:00~12:00(ROOM302)|第2回-2 ゲストワークショップ
9月12日(日)13:00~16:00(ROOM302)|第3回 ゲストワークショップ
9月22日(水)20:00~21:00(オンライン)|振り返り・ディスカッション・進捗共有
10月10日(日)13:00~16:00(ROOM302)|第4回 ゲストワークショップ
10月31日(日)13:00~18:00(ROOM302ほか)|第5回 ゲストレクチャー
11月14日(日)13:00~16:00(ROOM302)|第6回 ゲストワークショップ
12月5日(日)13:00~16:00(ROOM302)|第7回 ディスカッション
1月16日(日)13:00~16:00(ROOM302)|第8回 コミュニケーションメディア企画・制作
2月6日(日)13:00~16:00(ROOM302)|第9回 コミュニケーションメディア企画・制作
2月13日(日)13:00~16:00(ROOM302)|第10回 コミュニケーションメディア企画・制作
3月6日(日)10:00~17:00(ROOM302)|第11回 コミュニケーションメディア発表会

※日程、内容は変更する場合があります。
※2~3月は、まとめ/成果物制作に関する作業がある可能性があります。

申込方法

こちらの申込フォームに記入の上、お申し込みください。

申込締切
2021年7月30日(金)18:00
2021年8月2日(月)12:00
※申込締切を延長しました。

※全ての活動日に参加できる方を優先します。
※開催方法は対面またはオンラインなど、感染症状況・社会状況を踏まえて、随時決定します。
※スタディ開始後、参加キャンセルによる返金には応じられません。ご了承ください。
※本プログラムの内容は変更になる場合があります。
※お預かりした個人情報は、本事業の運営及びお知らせのみに使用します。

選考スケジュール
8月3日(火)~8月8日(日)選考期間
※書類選考後に、オンライン、お電話にてご連絡させていただく場合があります。
※8月3日(火)~8月6日(金)の平日夜(19:00~/20:00~)及び8月7日(土)、8月8日(日)の(10:00~17:00)に面接を予定しています。ご予定が合わない場合は、別途日程調整にてご面会の調整をさせていただく場合があります。
8月10日(火)頃 結果通知

ナビゲーター

和田夏実(インタープリター)、岡村成美(Designer/Director/Costume Designer/Artist)

運営
木村和博(劇作家・編集者・ライター)

スタディマネージャー
嘉原妙(アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー)

お問い合わせ

公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
事業推進室事業調整課事業調整係 TARL事務局
TEL:03-6256-8435(平日10:00~18:00)
E-mail:tarl@artscouncil-tokyo.jp

開催場所

アーツカウンシル東京ROOM302(東京都千代田区外神田6-11-14-302[3331 Arts Chiyoda 3F]) ほか、オンラインで実施想定

クレジット

主催
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京