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アーツカウンシル東京ブログ

アーツカウンシル東京のスタッフや外部ライターなど様々な視点から、多様な事業を展開しているアーツカウンシル東京の姿をお届けします。

「芸術文化による社会支援助成」活動報告会

アーツカウンシル東京では、平成27(2015)年度より、さまざまな社会環境にある人がともに参加し、個性を尊重し合いながら創造性を発揮することのできる芸術活動や、芸術文化の特性やアーティストが持つ力を活かして、さまざまな社会課題に取り組む活動を助成するプログラム「芸術文化による社会支援助成」を実施しています。
ここでは、助成対象活動を終了した団体による活動報告会をレポートします。

2022/12/23

第2回「ひとりひとりと向き合う演劇活動の探求〜鑑賞サポートからシニア劇団へ」(前編)

2022年8月25日、「芸術文化による社会支援助成」の効果を検証し、今後の課題やビジョンなどを広く共有する場として、第2回となる活動報告会が初めて対面で開催されました。第1部では「特定非営利活動法人(以下、NPO法人)シニア演劇ネットワーク」による活動報告、第2部では観客を交えてラウンドテーブルを開催。その様子を前編・後編に分けてお届けします。


開催時期:2022年8月25日(木)18:00~20:00
開催場所:アーツカウンシル東京 5階 大会議室
報告団体名:特定非営利活動法人シニア演劇ネットワーク
登壇者:鯨エマ、松田絵麻、渡部俊比古
ファシリテーター:小川智紀
グラフィックファシリテーター:清水淳子
手話通訳:瀬戸口裕子、加藤裕子
※事業ページはこちら



シニア劇団かんじゅく座 第11回公演『ねこら!2017』2017年
提供:特定非営利活動法人シニア演劇ネットワーク


登壇者(左から):鯨エマ、渡部俊比古、松田絵麻
撮影:松本和幸


グラフィックレコーディング(制作:清水淳子)
(画像拡大:JPEG版

ヘルパーのアルバイトがきっかけに。「鑑賞サポート」への取り組み

「シニア演劇ネットワーク」は、全国のシニア劇団をつなぎ、交流と活動を広めていくための組織だ。高齢者や障害者など様々な環境にある人々の演劇鑑賞をサポートするための「舞台芸術鑑賞サポート人材の育成事業」と、高齢者の俳優で構成する「シニア劇団の作品上演」という2方面の活動を継続して行い、「芸術文化による社会支援助成」が開始された平成27(2015)年度以降、のべ6期にわたり採択されてきた。

今回は、シニア演劇ネットワーク理事長で、60歳以上のメンバーによるシニア劇団「かんじゅく座」主宰の鯨エマさん、副理事長で姉妹劇団「ベニクラゲproject」代表の松田絵麻さん、かんじゅく座劇団員の渡部俊比古さんが登壇。これまでの活動や今後の課題について発表した。


鯨エマ。シニア演劇ネットワーク理事長、シニア劇団「かんじゅく座」主宰・作・演出
撮影:松本和幸

鑑賞サポートや高齢者による劇団など、演劇界に足りないものに気づいては、素通りできずにそれらを作り出してきた鯨エマさん。俳優、劇作家、演出家という肩書きに収まらない「演劇人」「演劇家」だ。

「振り返ってみると、目の前にある困りごとに対応して、失敗しながらコツコツやっているうちに今日になってしまったという感じなんです。全部やりたいことではあったんですけど、一番何がやりたいのかと問われれば、役者をやりたくて演劇界に入ったので、やはり役者なんですね。そんな私を見ていた人に、あなたは、寿司を食べたいと思ったら寿司屋から建てるタイプなんだねと言われたこともあります(笑)」


グラフィックレコーディング(制作:清水淳子)
(画像拡大:JPEG版

まず鑑賞サポートは、演劇活動の副業として始めた障害者ヘルパーの仕事がきっかけになったという。高校卒業後、俳優養成所を経て老舗の大劇団に所属するも役がつかず、6年で退団。劇団「海千山千」を立ち上げたが、アルバイトを掛け持ちしても赤字が続く。

「ある日、大久保(東京都新宿区)に停めた自転車のカゴに、埼玉県与野市の障害者ヘルパー募集のチラシが入っていたんです。難病で車椅子生活を送る2人を担当することになり、約5年間、障害者が地域で自立して生きていくとはどういうことかを間近で見ました」。

こうして障害者ヘルパーの仕事をしながら演劇を続けていたある日、車椅子の女性が鯨さんの芝居を見に来てくれることになった。ところが、「会場である小劇場の入口が細い階段を上った2階だったので、まず入場が大変でした。電動車椅子から手押しの車椅子に乗り換えて来てくれたんですけれども、スタッフに女性を抱きかかえていただき、車椅子を畳んで2階に上げて、場内でまた車椅子に座っていただいたんです」という。
「同世代の女性で気軽に芝居を見に行けない人たちがいる。これはなんとかしなきゃなと思ったのが、鑑賞サポートの始まりでした」。


グラフィックレコーディング(制作:清水淳子)
(画像拡大:JPEG版

知り合いの劇団にも鑑賞サポートの必要性を訴え、「一緒にやりませんか」と声をかけた。その時手を挙げてくれた唯一の劇団「劇団銅鑼」(脚注1)の公演を皮切りとして、鯨さんは個人的に、劇場までの道案内や視覚障害者向けの芝居の音声ガイドの作成などを行っていく。しかし、「NPO法人シニア演劇ネットワーク」の事業になるのはまだ数年後のことになる。

脚注1:正式名称は有限会社劇団銅鑼。1972年劇団民藝出身者を中心に創立。板橋区を拠点に全国から海外で創作劇を中心とした公演活動を行っている。鑑賞サポート事業はその後、劇団内で定着し、現在では主催公演で視覚障害者・聴覚障害者向けのサービスが実施されている。

「かんじゅく座」結成からシニア劇団の全国的なネットワークへ

一方、「シニア劇団」を立ち上げたのは、団塊世代が60歳に到達する「2007年問題」がきっかけだったという。大量の退職者が予想され、「第二の人生をどうするか」が話題の中、鯨さんは60歳以上の劇団員を募集し、2006年6月、13人で「かんじゅく座」を結成し、翌年3月に旗揚げ公演を行った。かんじゅく座は、2009年にニュースで紹介され、鯨さんが撮影していたドキュメンタリー映画がポレポレ東中野で上映されると、入団を希望する劇団員が増えていく。


シニア劇団かんじゅく座旗揚げ公演『赤い川の谷間』 2007年
提供:特定非営利活動法人シニア演劇ネットワーク

その後、全国のシニア劇団にジョイント公演の誘いをかけると16劇団も手があがった。そこで池袋のシアターグリーンを借りて、初の「全国シニア演劇大会」を開催したのが2011年9月のことだ。

「3月の東日本大震災の後、上京を断念しかけた宮城県の『福祉劇団鶴亀』に、『交通費と宿泊費を全額負担するのでお客さんとしてでもいらっしゃいませんか』と声をかけてみたら、一生懸命練習して参加してくれたんです。公演後、『目標があったことが、どんなに生きる支えになったか』と話してくださり、とても嬉しかった。その後の自分たちの活動にも励みになりました」。

参加した人たちからも「またやりましょう」という声が多くあがり、全国シニア演劇大会を継続していくためにNPOという形をとって「シニア演劇ネットワーク」を立ち上げた。現在、シニア演劇ネットワークには、賛助会員団体として全国から12のシニア劇団が所属している。

全国シニア演劇大会の様子


全国シニア演劇大会 in 仙台 2015年
提供:特定非営利活動法人シニア演劇ネットワーク

NPOにした理由はもうひとつある。結成時の劇団員13人は、朝日新聞の取材記事を見て集まったメンバーで、実は全員朝日購読者だった。「同じ新聞を読んでいて価値観や考え方が似ているから、台本などについても活発な議論にならず、いろいろな考えや立場の人を入れないと駄目だ」と思ったと言う。

「それで月謝1万8千円だったところを、80代は5000円に下げたら多様な人々が入ってきたんです。けれど昨年度は赤字になってしまったので、全員一律1万円にしました。任意団体でお金を集めるとご家族などに怪しまれるのでNPOにしたという理由もあります。今は赤旗から読売まで、いろんな方がいる状態(笑)。台本についていろいろな意見や知識も聞け、創作現場としても面白くなってきました」。


グラフィックレコーディング(制作:清水淳子)
(画像拡大:JPEG版

かんじゅく座では現在、春の定期公演、秋の出前公演、全国シニア演劇大会、不定期に島しょ部への出前公演も開催している。その活動を通じて発見したことがいくつかある。

「仲間がいると私生活の悩みを共有したり、皆さんの逃げ場や居場所になったりするんだなという実感がありました。ずっと母として生きてきた人が違う役を演じることができたり、今までの自分の肩書きを知らない人とゼロから友達になったりすることが楽しいという声が多かったんです。また、高齢者は体力や記憶力が衰え、友達や伴侶が亡くなり、自分も体調不良に陥る。そうした健康や愛情、また経済面の心配を乗り越えるような充実した時間を稽古場で過ごしていただいて、同じ目標に向かって、価値観の異なる人たちと一緒に活動することができればと思っています」。

あえて「アマチュア劇団」と謳う理由もある。
「家族にトラブルが起きたときに、家族を二の次にしてまで舞台を取ることはない。家族が喜んで舞台を応援しに来てくれたり、私生活を大事にしたりできるように、2チームで同じ演目を練習して、もし誰かがギックリ腰になっても、もし誰かに葬儀が入っても穴を開けずに協力し合って公演ができるようにしています」。

「芝居では、長年生きてきたシニアならではの思いやメッセージ性をしっかり含めて描きたいと思っています。また、学校や病院、児童養護施設や学童など、普段あまり芝居が見られないような場所にも公演に行くことにしています」。


グラフィックレコーディング(制作:清水淳子)
(画像拡大:JPEG版

「鑑賞サポート」をシニア演劇ネットワークの事業に

また、シニア演劇ネットワークでは、2015年度からそれまで鯨さんが個人で行ってきた「演劇のバリアフリー活動」を事業に組み入れた。「芸術文化による社会支援助成」では、平成27(2015)年度「視覚障がい者向け音声ガイド制作者育成講座」、令和2(2020)年度「演劇関係者のためのバリアフリー講座『視覚障がい者への観劇サポート』」を採択。後者では、鑑賞サポートが必要な社会的背景や、視覚障害者の話から様々なことを学び、劇場実習としてシアターX(カイ)での劇団NLTプロデュース公演『BONOBOたち』に音声ガイドをつけるところまでを全5回の講座にして開催した。令和3(2021)年度は「演劇関係者のためのバリアフリー連続講座2021」が採択となり、聴覚障害者、車椅子ユーザー、高齢者、視覚障害、知的障害にサポートの幅を広げて、全10回の連続講座を行った。


鑑賞サポート講座「視覚障がい者誘導の実習」
提供:特定非営利活動法人シニア演劇ネットワーク

これらの修了生も交えて、2021年末には、シニア演劇ネットワーク内の新たな鑑賞サポートチーム「舞台ナビLAMP」が結成された。舞台ナビLAMPでは、作品の背景やスタッフ・キャストの紹介、制作裏話を盛り込み、誰もが聴きたくなるような音声ガイドの作成を目指している。聴覚障害のある方や日本語に不慣れな方向けの字幕作成、高齢者・車椅子ユーザー・知的障害のある方への鑑賞サポート、演劇公演情報の提供。また、劇団や演劇制作者への鑑賞サポートのノウハウやサポートの提案、レクチャー、機材の貸し出しも行っている。

「オペラシアターこんにゃく座さんからは『生の演奏をイヤホンをつけずに楽しんでほしいから、本編では音声ガイドを付けたくない。それでも視覚障害のある方に見に来ていただくにはどうしたらいいか』とご相談をいただき、事前解説を充実させることと、駅からの送り迎えを提案しました。私の作った事前解説をもとに音楽監督の方が自分の言葉になさって、かなり充実した事前解説を作ってくださり、視覚障害者のモニターの方に体験していただきました。公演の評判が視覚障害者の方のSNSから広がったのも嬉しいことでした」。


グラフィックレコーディング(制作:清水淳子)
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こうした活動の広がりの一方で、課題なのは人手不足だ。
「私自身も二児の育児に追われながら活動しています。それでもなんとかやっているのは、やっぱり演劇が好きだから。事務仕事だけに終わらないぞと自分の胸に言い聞かせながら、早く俳優として舞台に戻りたいと思っています」と夢を語った。

様々な人が演劇を楽しめ、生きる糧にもなる循環を作る

続いて、シニア演劇ネットワークの副理事長を務める松田絵麻さんが発表した。シニア演劇ネットワークに所属する、企画ごとにメンバーを募り、芝居や映像など表現活動にチャレンジする「ベニクラゲproject」の代表でもある。2019年まで老舗大劇場の明治座に勤めており、初めて鑑賞サポートを導入したときの話から始まった。

「企画を担当していた前任者が異動になり、代わりに鑑賞サポートを担当することになったんです。それで鯨さんや「TA-net(特定非営利活動法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク)」(脚注2)にご相談し、受付の指導や音声ガイド作成講座を開いていただいて、実際にやってみました。導入することでお客様が増えるかなという期待があったのですが、鯨さんが連れてきてくださった方々にとどまったんですね。それ以降、申し訳ないですが、営利団体である劇場の感覚で鑑賞サポートを意識することはなくなっていました」。

脚注2:特定非営利活動法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク(通称:TA-net)は「みんなで一緒に舞台を楽しもう」を合言葉に、当事者が主体となって観劇支援を行う団体。2012年12月に任意団体として設立、2013年7月に特定非営利活動法人格を取得。


松田絵麻。シニア演劇ネットワーク副理事長、「ベニクラゲproject」代表
撮影:松本和幸

しかし、2019年に明治座を退職した松田さんは、翌年、ベニクラゲprojectを旗揚げし、シニア演劇ネットワークに加わる。鯨さんの仕事ぶりを見て「演劇界では、社会のためになること、志のあることがひとりの頑張りの上に成り立つことが多いのですが、それはやはり良くない。仲間を増やし、お客様が見に来てくださるしくみをつくらないと、どんなに鑑賞サポートを作っても長続きしないと思います」と語る。

「経費のかかる鑑賞サポートは、助成金なしには主催者にもおすすめできません。一方でサポート対象となる障害者のお客さんが来ないとどうしようかという話にもなる。そのため、観劇する人を増やす、作る人もやりがいを感じる、その良いスパイラルを生み出すことが今後の課題かと思います。先日のかんじゅく座公演には、視覚障害者の方も車椅子の方もたくさんいらしていただいたんですね。受付から客席を眺めながら、いろんな人がひとつの演劇を楽しんでいる姿に感動したんですよ。これが鯨がやりたいことなんだよなと。多くの方と共有して、成功例を少しでも増やしてそれが広がるといいなと願っています」。


グラフィックレコーディング(制作:清水淳子)
(画像拡大:JPEG版

続いて、かんじゅく座劇団員歴の長い渡部俊比古さんが語る。65歳で定年退職後すぐにかんじゅく座に入団し、現在79歳。「毎年春にある定期公演はたいてい社会性が盛り込まれている新作で、鯨エマが書く、それに挑戦します。プロの狂言師に発声法や謡や舞の訓練を受けたり、音楽や身体表現に関してもプロの方に来ていただいて訓練を受けたりと贅沢な稽古をしております」。


劇団員歴の長い渡部俊比古。通称、ひこさん
撮影:松本和幸

全国シニア演劇大会はこれまで5回開催されている。「私は5回とも参加でき、その中でいろんな縁なり何かが生まれてきました。島公演で行った伊豆大島では、我々がお邪魔したのがひとつの刺激になって、『表現集団ホワイトモス』という劇団ができて、現在もやっていらっしゃる。三宅島では、1公演に110名ほど観に来てくださいまして、これは全島民2400人の5%に当たる数字で、非常に好評でございました。本公演後、我々がお店で食事をしていたら、幼稚園のお子さんがちょこちょこと私のもとに来ましてツバキの実をプレゼントしてくれたんです。今も大事にとっております。本土での公演とはまた違う雰囲気が経験できます」。


シニア劇団かんじゅく座『みのりの畑』島しょ公演 2018年
提供:特定非営利活動法人シニア演劇ネットワーク

ところが、2019年5月、かんじゅく座の本公演の日。「朝、大量の下血をしまして、ところが不思議なもので舞台に立てたんですね。無事公演が終わり、翌日診察を受けたらステージ4の直腸がんと診断されました。それでも『来年の1月からかんじゅく座の稽古に入りたい、1月から定期公演の稽古が始まるので、それに間に合うように治療していただけませんか』と医師にお願いしました。主治医のご理解があり、それじゃ1月に芝居の稽古に復帰できるよう治療計画を決めましょう、と。6月に手術後、肝臓に転移し、8月と9月に抗癌剤の治療を行いました。目標があるから、苦しい治療にも耐えることができたのだと思います」。

「『キャンサー・ギフト』という言葉を解釈しますと、がんになった患者に神様がプレゼントしてくれたのかなと。大げさじゃなく、朝目が覚めますと『また生きてた』っていう素直な気持ちが湧いてきます。風を感じると本当に嬉しい。いやあ、いいな、生きてるっていうことは」。渡部さんの切実な言葉は、表現と人生が一体となる、かんじゅく座の存在意義を証明しているようだった。


グラフィックレコーディング(制作:清水淳子)
(画像拡大:JPEG版

(取材・執筆 白坂由里)


シニア演劇ネットワーク
高齢者の演劇活動の支援と、障害者の観劇支援を主な活動とする。2006年任意団体として設立し、2012年に法人化した。現在は全国シニア演劇大会の企画運営や、シニア劇団の運営組織として活動するほか、さまざまな劇団、劇場の演劇公演でバリアフリーサポートを施している。
https://s-engeki.net/

芸術文化による社会支援助成 助成実績

  • 平成27(2015)年度「視覚障がい者向け音声ガイド制作者育成講座」
  • 平成28(2016)年度第2期「シニア劇団かんじゅく座第11回公演『ねこら!2017』
  • 平成29(2017)年度第2期「シニア劇団かんじゅく座第12回公演『みのりの畑』」
  • 令和2(2018)年度第1期「演劇関係者のためのバリアフリー講座『視覚障がい者への観劇サポート』」
  • 令和3年度第1期 「演劇関係者のためのバリアフリー連続講座2021(3年計画事業1年目)
  • 令和4年度第1期「舞台芸術鑑賞サポート講座」(3年計画事業2年目 )

芸術文化による社会支援助成
東京都内で活動する団体を対象に、「社会的な環境により芸術の体験や参加の機会を制限されている人が、鑑賞・創作などの芸術体験を行い、創造性を発揮し、想像力を豊かにすることができる活動」や「自らの問題意識に基づいて社会課題を設定し、さまざまな人や組織と連携・協働を行いながら、長期的視点を持ち、課題解決に取り組む芸術活動」を支援するプログラム。
平成27(2015)年度に開始し、平成28(2016)年度からは年に2回公募を実施。これまでに100件余りの事業を支援してきた。「芸術のための芸術」でもなく、また単に「社会の役に立つ芸術」というだけでもなく、これまでにないやり方で社会と創造活動が不可分の状態にあるような新たな芸術のあり方、いわば「第3の芸術」を提起し具体化していく活動を後押ししようとしている。

第2回「ひとりひとりと向き合う演劇活動の探求〜鑑賞サポートからシニア劇団へ」(後編)に続く

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