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東京アートポイント計画通信

東京アートポイント計画は、地域社会を担うNPOとアートプロジェクトを共催することで、無数の「アートポイント」を生み出そうという取り組み。現場レポートやコラムをお届けします。

2018/01/17

「変化」が生まれる瞬間に立ち会うー東京アートポイント計画POの仕事(4)嘉原妙

現在、アーツカウンシル東京では「東京アートポイント計画」などのアートプロジェクト関連事業を担当する職員「プログラムオフィサー(PO)」を募集しています。

▼職員の採用情報/応募方法について(2018年1月31日必着)
https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/news/24472/

東京アートポイント計画のプログラムオフィサーとはどういった職業で、どんな人に向いているのでしょうか? 仕事の具体的なイメージをお伝えするべく、PO歴1~3年目の若手プログラムオフィサーにインタビューしました。最終回はアートNPOでの現場経験を活かし、東京や東北のプロジェクトに伴走している嘉原妙をご紹介します。


プログラムオフィサー・嘉原妙(よしはらたえ)

▶PO歴|3年目(2015年〜)
▶担当事業|東京アートポイント計画「TERATOTERA」「トッピングイースト」「東京ステイ」、「500年のcommonを考えるプロジェクト『YATO』」、Art Support T-hoku-Tokyo(東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業)

Q. 前職は何をしていましたか?

大分県別府市に活動拠点を持つNPO法人BEPPU PROJECTで、アーティストの作品制作サポートやスペース運営、宿泊型体験作品の運営、地元企業や市民と協働したツアープログラムの開発など、地域をフィールドにアートプロジェクトの運営に携わってきました。

Q. この仕事を選んだ理由は?

NPOで働く中で、アートを媒介とした領域横断的な活動やそれを担う組織は、今後の社会を動かし支えていくために必要だ、という思いを強くしていきました。でも、芸術文化領域の事業予算はそれほど大きいとは言えません。働くスタッフの人件費も十分かというと、ぎりぎりのところが多いように思います。「東京アートポイント計画」では、人件費のサポートも行っていて、事業と組織の両面から支えようとする構造に興味を持ちました。現場経験の視点を生かして、NPOがもっと柔軟に躍動できるようなサポートの仕組みを考えたいと思っています。


「Artpoint Meeting #04 -日常に還す-」では、広報ツールの企画・制作も担当。デザイナーとの打合せ中の様子。(デザイン事務所 豊作ブランディングにて)

Q. 仕事のやりがい、喜びは?

「変化」が生まれる瞬間に立ち会えること。
毎年度、事業計画を立てて、それに沿ってプロジェクトが始動します。でも、迷ったり、失敗したりして、予定通りにはなかなかいかないことも。POは、そのNPOの揺らぎを共にして、何に縛られてしまっているのか、どこで躓いてしまうのか、一緒に考え、改善策を探します。揺らぎの中にこそ気づき(学び)はあると思っているので、これは初めてのケースかも!ということがあるとわくわくします。

Q. 仕事の悩み、困ったことは?

最初の悩みは、「ことば」にすることでした。
1、2年目に、Tokyo Art Research Lab「思考と技術と対話の学校」のスクールマネージャーも担当していたのですが、アートプロジェクトの現場経験で身体的に培ったもの(知識や技術)を、ことばにして他者に共有することの難しさを痛感しました。自分自身のことばの稚拙さにも愕然として…。でも、これも実践あるのみ。共催団体とのコミュニケーション、ブログ記事や冊子の原稿執筆などで「修行」を積みました。ようやく3年経って、自分の視点や思考を分解して、そこからもう一度「ことば」に置き換えていくことの面白さを感じられるようになりました。

Q. よくある一日のスケジュールを教えてください

09:00 自宅より共催団体Aの拠点に移動
10:00 共催団体Aの拠点にて事業打ち合わせ 
12:00 昼食
13:00 オフィス入りし、メールチェック
14:00 担当事業の広報物の確認、事務書類の作成
15:00 新規事業リサーチの下調べ
16:00 東京アートポイント計画事業の情報発信の戦略会議
17:30 メールチェック、事務書類作成
18:15 新規事業リサーチ イベントB会場へ移動 
19:00 イベントB参加、状況を記録し上司、POへ共有
21:30 終了後、帰宅
※基本の勤務時間は9:30~18:15。例はリサーチがある日の勤務スケジュールです。


担当しているアートプロジェクト「東京ステイ」での一場面。2017年3月11日開催「東京の物語にチェックインする」より。(写真:菅原康太)

Q. プログラムオフィサーの仕事を一言で言うと?

先を読む仕事。
共催事業では、起こりうる全てのことをできる限り予測し、数歩先のことを想像して、共催団体と共有・ディスカッションし実践を重ねていきます。
さらに、これからの社会にとってアートが果たしえることは何かを考え続け、それが育まれる環境を整えていく仕事だと思います。

Q. どんな人が向いていると思いますか?

忍耐力のある人、相違点を楽しめる人。
アートプロジェクトは、予定調和ではないので、状況がじわっとしか動かないこともしばしばあります。それを焦らず、待つことも大切な役割だと思うから。

Q. チームはどんな雰囲気ですか?

和気あいあいとしています。
分からないことや迷ったことがあったら、すぐに尋ねやすい雰囲気です。各POの専門性も異なるので、多角的な視点からアドバイスをもらえ学びあえる職場だと思います。

Q. 最近「つくった」ものは?

・ネットTAM講座 実践編「アートプロジェクト」第4回『アーティスト、ボランティア/サポーター|アートプロジェクトを「ともに」動かす』
ネットTAMでは、プログラムオフィサーによる連載企画の中で、NPO法人BEPPU PROJECTとアーツカウンシル東京での経験を踏まえながら、「アーティストとボランティア/サポーター」について記事を書きました。自分が仕事を通して当たり前だと思っている方法を改めてことばにすることは、自らの経験を振り返るだけでなく、「ことば」によって経験を共有知に変容させていくことなのだと気づかされました。

Q. 応募を考えている人にメッセージを!

アートプロジェクトの現場から、芸術文化の中間支援というフィールドに来たとき、自分の視点をどこに合わせればいいのが、正直とても戸惑い悩みました。だから、もしかしたら、最初はちょっとしんどいかもしれません。
けれど、個性豊かなPOとともに仕事をしていくうちに、自分の得意な部分はどこか、苦手な部分はどこか、いまどこに立って私は考えているのかなど、改めて気づくことができます。自分の中に新しい視点を育むことができる、そういう職場だと思います。ぜひ、チャレンジしてみてください!


岩手県大槌町「城山」からの風景(2017年10月1日撮影)。嘉原は「Art Support Tohoku-Tokyo(東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業)」も担当している。ここは「復興カメラ」の定点観測で、釜石出張の際には必ず訪れる場所だ。(「復興カメラ」=特定非営利活動法人@リアスNPOサポートセンターのスタッフを中心に、震災以降の写真や動画を記録に残し、発信していく活動。)


*募集についての詳細

公益財団法人東京都歴史文化財団 常勤契約職員(主事級〔東京アートポイント計画事業担当〕)を募集します。

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