≪音楽分野≫
◆申請件数/( )内採択件数 : 総数19(7); 芸術創造活動13(4)、国際芸術交流6(3)、創造環境向上0(0)
◆採択率 : 36.8%
音楽分野の申請は、日本の作曲家や演奏家の記念年に因んだ特集公演、作曲家グループの自主企画によるオーケストラや室内楽公演、国内外の特色ある音楽フェスティバルをはじめ、即興音楽や観客参加によるワークショップまで幅広い内容の申請がありました。審査にあたっては、事業の実現性、計画の具体性に加えて、当プログラムの審査基準である企画の独創性や当該分野への波及効果等を総合的に判断しています。活動歴が成熟期に属する場合や継続的な事業については、ガイドラインの「各ステージにおける助成方針」に照らし、慎重に検討しました。
≪演劇分野≫
◆申請件数/( )内採択件数 : 総数31(10); 芸術創造活動19(6)、国際芸術交流12(4)、創造環境向上0(0)
◆採択率 : 32.3%
近年の当助成プログラム第2期と比較すると申請件数が増加しています。今期は特に「国際的な芸術交流活動」での申請が多く見られました。各団体が積極的に海外の共同制作の相手先との関係を丹念に築いていることが見てとれる活動が増加傾向にあります。また、自身の特性を活用し、さらに押し進めようとする意欲的な活動が活動拡大・発展期の団体に目立ちました。ほか、独創性の高いフェスティバル企画が複数申請されたことも特徴的です。審査にあたっては、「助成の基本方針」に照らし、総合的に判断しました。
≪舞踊分野≫
◆申請件数/( )内採択件数 : 総数14(8); 芸術創造活動10(5)、国際芸術交流4(3)、創造環境向上0(0)
◆採択率 : 57.1%
複数年に跨る国際プロジェクトの一環である海外公演や、新しいグループの旗揚げ公演、公共劇場において次なる成長を目指す若手の新作公演、ダンサー育成とテクノロジーを用いた新たな身体表現の開発を目指す活動など、コンテンポラリーダンスの若手及び中堅層の力強い企画が目立ちました。また、フラメンコなど舞踊分野における幅広い申請が寄せられました。審査基準に則り、各申請団体の活動実績や目標に着目しながら、舞踊分野への影響力や申請団体の次のステップにつながるような創造性溢れる意欲的な活動を評価しました。
≪美術・映像分野≫
◆申請件数/( )内採択件数 : 総数19(7); 芸術創造活動12(4)、国際芸術交流7(3)、創造環境向上0(0)
◆採択率 : 36.8%
美術・映像分野では、当助成プログラムに初めて申請する個人・団体が全体の7割近くを占め、若手から中堅を中心に「国際的な芸術交流活動」での申請が目立ちました。今回で6期目となる個人申請(平成27年度より開始)では、アーティスト以外にもキュレーターからの申請も複数あり、今後の新しい傾向につながることが期待されます。審査においては、当助成プログラムの審査基準に照らして事業の目的と企画内容の整合性及び実現性、また、事業の持つ影響力・普及力を総合的に判断しました。
≪伝統芸能分野≫
◆申請件数/( )内採択件数 : 総数19(13); 芸術創造活動17(12)、国際芸術交流2(1)、創造環境向上0(0)
※個人申請10(7)
◆採択率 : 68.4%
個人からの申請件数が大幅に増加しました。申請件数の約半数が当助成プログラムへの初めての申請という傾向は変わらずに続いています。申請種目は、箏曲、清元、常磐津、長唄、邦楽囃子、創作邦楽、日本舞踊、津軽三味線、現代邦楽、複合的な企画等、多岐にわたるものでした。審査基準の「継承性」の面で優れた事業が多く、高い採択率になりました。またレパートリーの開拓や観客の拡大等、各種目の将来に向けた意欲的な事業も目立ちました。
≪複合・その他分野≫
◆申請件数/( )内採択件数 : 総数27(8); 芸術創造活動9(2)、国際芸術交流14(4)、創造環境向上4(2)
◆採択率 : 29.6%
複合分野(分野を特定できない芸術活動)は、今期27件の申請があり、複合分野に相応しいインパクトのある事業を8件採択としました。申請数は、前年度との比較で増加傾向が見られます。申請内容は、多角的な要素に着想したものから分野横断的と言えるさまざまな活動の申請があり、「助成の基本方針」に基づいて総合的に審査及び評価を行いました。