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コラム & インタビュー

アーツカウンシル東京のカウンシルボード委員や有識者などによる様々な切り口から芸術文化について考察したコラムや、インタビューを紹介します。

アーツ・オン・ザ・グローブ:コロナ禍と向き合う芸術文化

本シリーズでは、欧米や近隣諸国において芸術文化がいかに新型コロナウイルスと向き合ってきたのかをお伝えします。

2021/08/02

イントロダクション

本シリーズ「アーツ・オン・ザ・グローブ」では、企画協力・監修に光岡寿郎氏(東京経済大学コミュニケーション学部教授)を迎え、全6回(予定)の連載でお送りいたします。


2020年から続く新型コロナウイルスの流行は、私たちの生活様式を大きく変容させました。とりわけ新型コロナウイルスの社会的インパクトが大きかったのは、それが日常生活において最も重要なコミュニケーションに関わるものだったからだと言えるでしょう。つまり、人と会い、何かを伝えるという過程を通じて拡がるのがウイルスだからです。

この特性は、芸術文化にとっても切実な問題でした。なぜなら、芸術文化とは人が生み出したものを人に届けるというきわめてコミュニケーション的な営為でもあるからです。そして、生身の人間がメッセージを伝える演劇や音楽の公演は中止になり、作品を鑑賞しながら会話を交わす展覧会も数多くが延期になりました。

このような芸術文化の窮状は、この一年、日本でも現場からの声を中心に数多く紹介されてきました。一方、今後はワクチン接種も進むことが想定されるなかで、芸術文化も新型コロナウイルスの感染を防ぐ段階から、リスクをコントロールしながら生き抜いていく道筋を見定める段階に入ったとも考えられます。そこで、本特集「アーツ・オン・ザ・グローブ」では、欧米や近隣諸国において芸術文化がいかに新型コロナウイルスと向き合ってきたのかをお伝えします。日本、そして東京における芸術文化の現状を理解し、新しいアイデアを得るための一助となれば幸いです。


寄稿


光岡 寿郎(みつおか としろう/東京経済大学コミュニケーション学部教授)
1978年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(文学)。東京経済大学コミュニケーション学部教授。専門はメディア研究、芸術文化の社会学。主な著作として、『変貌するミュージアムコミュニケーション――来館者と展示空間をめぐるメディア論的想像力』(せりか書房、2017、単著)、『スクリーン・スタディーズ――デジタル時代の映像/メディア経験』(東京大学出版会、2019、共編)、『ポストメディア・セオリーズ――メディア研究の新展開』(ミネルヴァ書房、2021、分担執筆)など。