ライブラリー

コラム & インタビュー

アーツカウンシル東京のカウンシルボード委員や有識者などによる様々な切り口から芸術文化について考察したコラムや、インタビューを紹介します。

アーツ・オン・ザ・グローブ:コロナ禍と向き合う芸術文化

本シリーズでは、欧米や近隣諸国において芸術文化がいかに新型コロナウイルスと向き合ってきたのかをお伝えします。

2022/04/01

CASE06
リフレクション:コロナ禍の先に文化の「土壌」を耕すために(後編)

吉見俊哉

吉見氏は、コロナ禍が浮き彫りにした日本の状況を、文化芸術の社会的位置づけの脆弱さと「職能」意識の欠如だと指摘。さらに、接触や交流を禁じる「反芸術的」な状況の先では、「共にいる」ことを巡る思考が重要になるとしたうえで、日本の課題を、文化の「土壌」を耕す意識の構築にあると話した。その語りは、危機の時代にあって、幅広い射程で芸術や文化の根本的なあり方を考えさせてくれる。

2022/04/01

CASE06
リフレクション:コロナ禍の先に文化の「土壌」を耕すために(前編)

吉見俊哉

さまざまな専門家の寄稿を通じて、コロナ禍における各国の文化芸術の動向を紹介してきたシリーズ「アーツ・オン・ザ・グローブ」。その最終回として、社会学者で東京大学大学院情報学環教授の吉見俊哉氏をゲストに迎え、この企画の監修者を務める東京経済大学コミュニケーション学部教授の光岡寿郎氏を聞き手にお話を伺った。

2021/12/28

CASE05
ドイツ:ドイツのコロナ禍文化政策をまなざすことで見えてくる日本の「これから」(後編)

秋野有紀

ドイツの文化支援に関する不正確な情報が、等身大以上の理想的なイメージを拡散した点は否めない。とはいえ、コロナ禍に対処するドイツの文化政策には、それらを差し引いても、日本で好意的にまなざされることとなった側面が、もうひとつあった。文化と民主社会を絡めて話したグリュッタースの数々の発言である。

2021/12/21

CASE05
ドイツ:ドイツのコロナ禍文化政策をまなざすことで見えてくる日本の「これから」(前編)

秋野有紀

「ものの豊かさから心の豊かさへ」──戦後日本の文化行政の展開を時代背景とともに語るとき、当然のように繰り返され、使い古されてきたこの定式。その恐ろしい「呪縛」に気づいたのは、世界を未曾有の危機に陥れたあのパンデミックの渦中だった。

2021/11/19

CASE04
香港:コロナ禍でのチャンスとは

高橋瑞木

2019年の抗議運動とそれに続くコロナ禍、またその最中に導入された国家安全法と、香港は社会の目まぐるしい変化を経験している。

2021/09/17

CASE03
台湾:コロナ禍のなか、台湾における美術館、博物館の状況

黃姍姍

2019年末、まだ正体の分からないウイルスによる中国武漢での異常な感染状況が発覚した。痛ましい「SARS(重症急性呼吸器症候群)」の経験を持つ台湾政府は、いち早く警戒を強め、その感染症について12月31日に記者会見を行い、同日武漢からの渡航者の検疫を始めた。

2021/09/10

CASE02
オーストラリア:COVID-19に直面するアート界

米谷ジュリア

歴史はゆっくり進むと思いきや、突然、誰もが大変革の波に飲み込まれてしまう。

2021/08/02

CASE01
アメリカ:コロナ禍が引き起こした変容、コロナ禍でも進行する変容

藤高 晃右

2020年の3月4日、例年とあまり変わらない様子でNY随一のアートフェアであるアーモリーショーのVIPプレビューが開かれた。

2021/08/02

イントロダクション

2020年から続く新型コロナウイルスの流行は、私たちの生活様式を大きく変容させました。とりわけ新型コロナウイルスの社会的インパクトが大きかったのは、それが日常生活において最も重要なコミュニケーションに関わるものだったからだと言えるでしょう。つまり、人と会い、何かを伝えるという過程を通じて拡がるのがウイルスだからです。