《音楽分野》
◆申請件数/( )内採択件数:総数21(9); 公演11(5)、国際芸術交流9(4)、創造環境向上1(0)
◆採択率:42.9%
作曲家の特集公演や新たな舞台作品の創作、フェスティバル事業等、様々な音楽分野においてテーマ性の高い事業の申請が多くありました。なかでも、分野間の協働や、音楽作品の次代への継承が期待できる優れた事業が目立っています。初めて申請する団体は約6割を占め、活動基盤形成期にあたる団体からも複数の申請がありましたが、適時性に加えて、事業の計画性や波及力についても総合的に審査しました。
《演劇分野》
◆申請件数/( )内採択件数:総数37(12); 公演18(4)、国際芸術交流18(7)、創造環境向上1(1)
◆採択率:32.4%
例年同様に劇団やユニットからの申請が多数でしたが、その他に実行委員会からの申請が2件、民間劇場からの申請が1件、企画制作会社によるプロデュース公演が1件、中間支援組織からの申請が2件ありました。今回は特にアジアでの公演やコラボレーション、ネットワーク形成に取り組む申請が増加しています。審査においては、活動基盤形成期(若手)及び活動拡大・発展期(中堅)にある団体を中心に、将来性・適時性及び革新性・独創性・影響力を重視して採択しています。また、公演以外にも創造環境向上に取り組む事業も採択しています。
《舞踊分野》
◆申請件数/( )内採択件数:総数21(11); 公演12(5)、国際芸術交流7(4)、創造環境向上2(2)
◆採択率:52.4%
コンテンポラリーダンスを中心に、現代サーカスや、様々な人々と共に創作する参加型パフォーマンス、身体表現の定義及び身体性を問う企画等、一言で舞踊とは括れない多様性を感じさせる企画の申請が多く寄せられました。活動基盤形成期(若手)の団体の活動や都内での活動の申請が増加している一方で、国際的な芸術交流活動の申請がやや減少傾向にあります。審査にあたっては、当助成の基本方針である審査基準と「各ステージにおける助成方針」に則り、各申請団体の活動実績や目標に注目しながら、次のステップにつながるような創造性溢れる意欲的な活動を評価しました。
《美術・映像分野》
◆申請件数/( )内採択件数:総数18(10); 公演9(5)、国際芸術交流8(4)、創造環境向上1(1)
◆採択率:55.6%
前期に引き続き当助成プログラムに初めて申請する団体・個人が8割近くあり、特に今期は個人申請で優れた申請案件が目立ちました。個展・グループ展形式の作品展示にとどまらず、海外のレジデンスやフェスティバル参加、招聘講演等の国際芸術交流活動で多様性に富んだ魅力あるプロジェクトが目立ちました。申請活動の実現性、普及力のほか、当助成の審査基準に則り、申請団体及び申請者の将来性・適時性も考慮して審査を行いました。
《伝統芸能分野》
◆申請件数/( )内採択件数:総数14(10); 公演9(8)、国際芸術交流4(1)、創造環境向上1(1)
◆採択率:71.4%
伝統芸能分野の申請種目は、能楽、歌舞伎、箏曲、尺八、地唄舞、創作邦楽、現代邦楽、落語、和太鼓等を含む複合等、多岐にわたるものでした。今回は若手からの申請が減り、中堅からベテラン世代による、次代への継承を踏まえた活動や意欲的な普及事業が目立ちました。また全体に古典の本質を重視する傾向が見られ、創作面においても、伝統との接点を丁寧に考えた水準の高い申請が増えています。個人申請は2件でした。
《複合・その他分野》
◆申請件数/( )内採択件数:総数28(10); 公演13(4)、国際芸術交流11(5)、創造環境向上4(1)
◆採択率:35.7%
音楽・演劇・舞踊・美術・伝統芸能など多分野を横断する芸術創造活動から、「芸術文化におけるアクセシビリティ」や「人材育成」のように具体的なテーマを設定した活動や国際的なプロジェクトなど、非常に意欲的な事業の申請が多くありました。審査については、申請内容から音楽、演劇、舞踊、美術・映像、伝統芸能の各分野に振り分けをし、助成方針などを基に審査を行い、採択事業を決定しました。東京ならではの魅力溢れる事業が展開されることを期待しています。